意外と知らない「気象・防災用語」…正しく知って、備えよう

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 台風の勢力や予想雨量を伝える気象・防災用語。正しく知って、備えたい。(後藤理央、川崎大輝)

■雨量

 昨秋の台風19号では、神奈川県箱根町で24時間の雨量が900ミリを超えるなど、県内でも記録的な大雨となった。

 雨量とは、雨水がどこにも流れず、そのままたまった場合、どれほどの深さになるかを示した数値だ。全国約1300か所に設置された「地域気象観測システム(アメダス)」などで観測されている。

 近年の豪雨では「1時間で100ミリ」といったケースも耳にするが、これは、その地域一帯が1時間のうちに水深10センチの超巨大な水がめのようになるほどの雨――を意味する。

 19号のときの箱根の24時間雨量900ミリを単純に割ると、1時間で37・5ミリ。それが町全域で一日中降り続いたことになる。実際には、雨水はマンホールや側溝に流れ、地面にしみこむため、すべてたまることはないが、これだけの雨量になれば、低い土地では排水が追いつかず、崖地で土砂崩れが相次ぐリスクが高まることは、想像に難くないのではないか。

 気象庁などは、予想される雨量に応じて、「激しい雨」「猛烈な雨」などの言葉を用いて注意を促しているが、日本気象協会によると、7割以上の人が天気予報で伝えられる雨量を過小評価しているという。

■気圧

 台風が近づくと、ニュースなどで「ヘクト・パスカル(hPa)」という言葉を見聞きする。気圧の高低を表す単位で、台風の勢力を説明する一つの目安だ。高潮の危険がある沿岸部では、特に注意が必要なデータになる。

 まずおさえておきたいのは、台風の気圧が1ヘクト・パスカル下がると、その台風の下では海面が1センチ上昇するということ。気圧の高い周辺の空気に押さえつけられた海水が、気圧の低い台風中心部の空気に吸い上げられるためだ。

 例えば、普段の気圧が1000ヘクト・パスカルの沿岸の街に、930ヘクト・パスカルの台風が襲来すると、海面は70センチも高くなる。さらに、沖から吹く強風も潮位を上昇させるため、相乗効果で高潮が発達するというメカニズムだ。台風接近が大潮の日の満潮時と重なれば、とりわけ大きな被害が起こりうる。

 台風が南から接近してくる形になる日本列島では、南向きの湾が高潮の影響をより受けやすい。1959年の伊勢湾台風では、名古屋港で最高潮位3メートル89が観測されたが、東京湾も伊勢湾と同じく南向きで、危険な湾だと言われている。

 気象情報サービスを提供するサニースポット(横浜市中区)は「急速に台風が発達すると気圧も大きく下がるので、注意してほしい」としている。

■警戒レベル

 災害発生の危険度と住民がとるべき避難行動を関連づけたものが「警戒レベル」だ。1~5の5段階があり、危険な場所にいる人に避難を促す「避難勧告」と、さらに強く避難を求める「避難指示」はどちらもレベル4に分類される。

 強弱はあるものの、レベル4が発令された場合、浸水や土砂崩れなどのリスクが高い場所に住む人は原則、全員避難しないといけない。「勧告」と「指示」が併存している現状だと、「勧告なら、まだ避難しなくてもいい」といった誤った考えを招く恐れがあるとして、内閣府は「避難指示」に一本化することを決めている。

 避難先は学校や公民館などに限らず、安全な親族・知人宅でもいい。また、自宅が危険エリアにあっても、丈夫なマンションの上層階などであれば、避難の必要はない。これらの情報は、各自治体が作っているハザードマップで分かりやすく紹介されている。

 警戒レベル5は「災害発生情報」で、すでに災害が起きていることを意味するため、避難が完了していなければならない。先月、九州などを襲った台風10号では、過去最強クラスと予想した気象庁が「特別警報級」「最大限の警戒を」と何度も呼びかけた。特別警報は2013年に新設され、数十年に1度の危険が迫っている時に発令される。

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1537388 0 科学・IT 2020/10/10 14:34:00 2020/10/10 15:09:03 2020/10/10 15:09:03 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/10/20201010-OYT1I50044-T.jpg?type=thumbnail

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