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うちの赤ちゃんは眼鏡のオジサンが好き、なぜ?…顔認知の仕組みに迫る

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 赤ちゃんの好みは難しい。我が子は中高年の男性の顔を見て、笑顔を見せることが多い。好きだと思って買ったおもちゃはすぐに飽き、「なぜ?」というものに夢中になることもしばしば。赤ちゃんの好みと認知の不思議に迫る。(科学部 笹本貴子)

 息子が生後7か月頃。「ぎゃはは」という声で振り返ると、テレビに白縁の眼鏡をかけた男性タレントの顔がアップになっていた。画面が変わると息子の笑いは収まり、男性の顔が映ると、再び大笑い。「もう顔の好みがあるの?」と驚いた。

「目元」に注目、目と口の配置で判断?

 赤ちゃんの顔認知に詳しい中央大学の山口真美教授(56)に聞くと、「ポイントは白縁眼鏡で目立つ『目元』では」と、教えてくれた。

 赤ちゃんは相手の顔を見る時、白と黒のコントラストが強い目元に注目する傾向がある。視力が未発達でも見やすいためと考えられている。眼鏡を面白がる赤ちゃんも多く、生後まもないと眼鏡を外したり変えたりするだけで親が分からなくなる子もいるそうだ。

 そもそも赤ちゃんはいつから人の顔が分かるのか。山口教授によれば、生後1か月未満の新生児でも、目の前の画像が「顔か顔以外か」を見分けられる。

 判断の手がかりは、目や口の配置にあるらしい。赤ちゃんは目や口の絵をばらばらに並べた画像より、黒い四角二つを上、一つを下に置く「トップヘビー」の配置の画像の方を、長く見つめる。より顔らしく見えて好むようだ。

 見つめる時間で赤ちゃんの好みを探る実験では、「顔」画像のほか、「柄のあるもの」「しま模様」を好むことがわかっている。

生後半年まではサルの顔も区別

 顔認知の能力で、驚くべき報告もある。生後半年の赤ちゃんにサルの顔写真を長く見せた後、同じサルと別のサルの顔写真を並べて見せると、別のサルを長く見ることがわかった。赤ちゃんは真新しいものを長く見つめる傾向もあり、サルの顔の違いを見分けていることが示唆された。

生後半年の赤ちゃんが見分けた可能性がある2匹のサルの顔(米科学誌サイエンス提供)
生後半年の赤ちゃんが見分けた可能性がある2匹のサルの顔(米科学誌サイエンス提供)

 ところが生後9か月になるとこうした違いがなくなり、サルを見分ける能力が失われるらしい。論文が2002年、米科学誌「サイエンス」に掲載された。

 聴覚でも似た現象がみられる。例えば赤ちゃんはある時期まで英語のRとLの発音を聞き分けるが、英語圏以外だとやがてできなくなる、という研究もある。

 では、幼い頃から英語を聞かせ続ければバイリンガルに近づけるだろうか?

 山口教授は、「母国語を聞き取る力を磨く分、不要な能力を捨てるのが発達の過程と考えられる。顔の認知も、見る機会の多い顔を覚えるため他の能力は捨てるのではないか」と話し、「早過ぎる英才教育は赤ちゃんを混乱させるかもしれない」と指摘する。

月齢で好みに違い…「いないいないばあ」で研究

 顔以外の好みはどうだろう。「いないいないばあ!えほん」(主婦の友社)の監修を兼ねて研究する東京大学の新屋裕太特任助教(33)(発達科学)は、動物や人、キャラクターが登場する「いないいない」と「ばあ」の2種類の絵柄を計48組用意し、0~2歳の子計62人に「いないいない」3秒、「ばあ」を7秒ずつ見せ、目線や絵柄を見つめる時間を調べた。

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1625658 0 科学・IT 2020/11/14 08:54:00 2020/11/20 11:55:14 2020/11/20 11:55:14 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/11/20201112-OYT1I50034-T.jpg?type=thumbnail

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