異常な大雨の原因…「線状降水帯」注意情報を来年から発表へ
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気象庁は、来年の梅雨期をめどに、異常な大雨の原因となる「線状降水帯」が発生したとみられる場合に「線状降水帯注意情報(仮称)」を新たに発表することを決めた。早めに警戒を呼びかけることで、今年7月の九州豪雨など近年相次ぐ線状降水帯による被害の軽減につなげる狙いだ。
線状降水帯は、積乱雲が次々と発生して連なり、同じ場所に大雨を長く降らせる現象。予測が難しく、現在は降雨量などの観測記録を事後的に分析して発生の有無を判断している。
同庁によると、注意情報の発表では、雨雲分布や降雨量などを速やかに分析し、線状降水帯が発生しつつある早い段階で検出できるようにする。発生したとみられる地域を地図上で示すことも検討している。有識者会議を年度内にも設置して詳細を詰める。
ただし、今回の注意情報は現況を示すもので、「予報」ではないため、発表時点で既に水害が起きている恐れもある。このため、同庁は、全国の地域気象観測システム(アメダス)の半数に当たる約690か所に湿度計を設置するなどし、積乱雲のもとになる水蒸気の観測網を拡充。2年後を目標に、線状降水帯の発生半日前から大雨の確率を予測し、地域ごとに提供する方針だ。
10年後には気象予測に使うスーパーコンピューターの高性能化などにより、さらに正確な予報を目指している。