カラオケ・野外で飛沫の拡散抑制、マスクの効果「富岳」が実証
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理化学研究所や神戸大などは26日、スーパーコンピューター「

カラオケボックスは21立方メートルの部屋に9人が入ると想定。オフィスに比べ空気が約2倍の速さで入れ替わるが、1人が歌い出すと、約30秒で小さな飛沫(エアロゾル)が室内に広がった。マスクを着ければ、漏れる量が約3分の1に減った。

野外は、バーベキューで10人がテーブル(縦60センチ、横120センチ)を囲む状況を想定した。1人がマスクをせずに大声で話すと、1メートル先の正面に立つ人が、飛沫全体のうち10分の1を浴びた。秒速0・5~1メートルの弱い風が吹くと、風下にいる人たちにも届いた。マスクをしていれば、いずれもほとんど届かなかった。
このほか、走行中のタクシーは外気を取り込む設定でエアコンをつければ、1分半で車内の空気が入れ替わる一方、窓を5センチほど開けても換気の効果はあまり上がらなかった。せきをすると飛沫が車内にとどまりやすく、運転者、乗客ともマスクが必要とした。
航空機内は空気が常時入れ替わるシステムが働き、乗客がせきをしてもマスク越しなら、飛沫の拡散がほぼ抑えられた。
理研チームリーダーの坪倉誠・神戸大教授は「今後、飛沫から体内にウイルスが取り付く様子を再現するなど、感染リスクを分析し、より効果的な対策を示したい」と話す。