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地球にかぶる「厚手の毛布」、「温室効果ガス実質ゼロ」の目標でどうなる?

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 地球温暖化対策のため、政府が2050年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにする目標(カーボンニュートラル)を表明した。その背景や実現に向けた課題、取り組みをまとめた。

実質ゼロとは…排出と吸収 同量に

 二酸化炭素(CO2)やメタン、フロンガスなどの温室効果ガスは、主に人間活動によって排出される。一方で、植物は光合成の際に温室効果ガスの大半を占めるCO2を吸収する。温室効果ガスの排出量と、森林整備などによる吸収量が釣り合った状態を「実質ゼロ」と呼んでいる。

 温室効果ガスが増えると地球温暖化につながるが、その仕組みは次の通りだ。

 太陽光は地球を覆う大気によって一部が反射されるが、通過した光は地表を暖める。暖かい地表からは、空に向かって赤外線が放射される。赤外線は宇宙空間へ出るが、一部は温室効果ガスに吸収される。吸収された赤外線は再び放射されるが、地上に向かうと再び地表を暖める。このサイクルは気温を高く保ち、海からの水蒸気量も増える。地球が、厚手の毛布をかぶっているような状態になる。

 温室効果ガスは、排出量や吸収量を全て観測することはできない。このため日本では環境省と国立環境研究所が電気やガソリンの使用量、ゴミ処理量など様々な統計を用いて推計。2019年度の排出量は約12億1300万トン(前年度比2・7%減)で、このうち91・2%がCO2だった。一方で吸収量はまだ算出されていないが、18年度は5590万トンにとどまった。

 世界では温室効果ガスの排出量が増加傾向で、19年時点では年間約591億トンに上った。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書によると、温室効果ガス濃度は産業革命が起きた18世紀半ばから増え続け、特に最近数十年間は増え方が急激になった。

 一方、森林は焼き畑農業や火災などで減少している。国連食糧農業機関(FAO)によると今年の世界の森林面積は約40億ヘクタール。この30年で4・2%減となった。

世界の取り組みは…120か国超「50年までに」目標

 温暖化による破局的な被害を食い止めるため、2050年までのカーボンニュートラル実現を目指す国々が増えている。経済産業省によると、10月末時点で123の国・地域がこの目標を掲げており、風力や太陽光といった再生可能エネルギーの導入を進めるなど対策に乗り出している。

◇2050年までのカーボンニュートラルの宣言状況
区域 … 宣言国 (123か国・地域)
アジア (11) … ミャンマー、カンボジア、日本など
中南米・北米 (25) … カナダ、コロンビア、アルゼンチンなど
大洋州 (15) … キリバス、ニュージーランド、トンガなど
欧州・中東 (35) … フランス、ドイツ、アフガニスタンなど
アフリカ (37) … 南アフリカ、ソマリア、スーダンなど
 ※ ( ) 内は宣言した国・地域数

 温暖化を巡っては1995年から毎年、国連の気候変動枠組み条約に基づき対策を議論する締約国会議(COP)が開催されてきた。15年のCOP21では、産業革命前からの世界の平均気温上昇幅について「2度」を十分に下回り、「1・5度」に抑える努力を追求するパリ協定が合意された。カーボンニュートラル達成は今世紀末までとされたが、18年、IPCCは50年までの達成が必要だとする報告書をまとめた。

 19年のCOPでは120か国・地域がこの目標を掲げ、今年に入って日本、韓国、南アフリカも表明した。一方、CO2排出量が世界一多い中国は、60年までに排出量をゼロにすると表明。世界2位の米国は11月、パリ協定を離脱したが、バイデン次期大統領は復帰の意向を示している。ロシアは同月、30年までに温室効果ガスを1990年比で70%削減する目標を掲げた。

 欧州ではCO2排出量に応じて課税する「炭素税」を導入する国もある。世界で再エネの導入も進んでおり、発電設備容量は18年の推計値で2517ギガ・ワットとなった。石炭や天然ガスなどよりも多く、主力電源化している。

達成できないと?…豪雨や乾燥化 災害増

九州豪雨で、広く冠水した福岡県久留米市(読売ヘリから。2020年7月8日撮影)
九州豪雨で、広く冠水した福岡県久留米市(読売ヘリから。2020年7月8日撮影)

 日本だけでなく、世界で温室効果ガス排出の実質ゼロを達成できないと温暖化は進んでいく。2017年の世界の平均気温は産業革命前と比べて約1度上昇している。このペースが続けば、30~52年に気温上昇が1・5度に達する可能性が高いと予測されている。

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1697607 0 科学・IT 2020/12/13 08:54:00 2020/12/13 08:54:00 2020/12/13 08:54:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/12/20201210-OYT1I50050-T.jpg?type=thumbnail

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