2019年の台風19号、温暖化影響で雨量13・6%増…スパコン分析で判明
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東日本で河川氾濫などが相次いだ昨年10月の台風19号について、気象庁気象研究所は、地球温暖化の影響で降水量が13・6%増えていたとする分析結果を発表した。温暖化で大気中の水蒸気量が増え、台風に伴う雨の量に影響しているとみられる。

日本周辺の平均気温は、工業化が進んだ1850年以降、約1・4度上昇した。同研究所は、温暖化が台風19号に及ぼした影響を分析するため、温暖化しなかった場合の気温や海面水温などのデータを20パターン入力し、スーパーコンピューターで分析した。
その結果、温暖化により、台風の動力源となる大気中の水蒸気量が増えるなどして、関東周辺の降水量が13・6%増加したことが判明。台風の勢力がより強くなることも分かった。
同研究所はこれまでにも、西日本豪雨(2018年)の被災地を対象に同様の手法で分析。温暖化の影響で記録的大雨の発生確率が約3・3倍に上昇していたと報告している。
台風19号では、東日本を中心に約140か所で堤防が決壊。死者・行方不明者(災害関連死を含む)は100人を超え、3万棟以上が全半壊した。