世界の平均気温、昨年は史上2番目の高さ…陸上は過去最高
完了しました
【ワシントン=船越翔】米海洋大気局(NOAA)と米航空宇宙局(NASA)は14日、2020年の世界の平均気温が14・88度となり、16年に次いで観測史上2番目に高かったと発表した。このうち陸上の平均気温は過去最高の10・09度を記録した。暑い年の上位5位全てを15年以降の年が占める結果となり、研究チームは「地球温暖化の原因となる温室効果ガスの削減が重要だ」と強調している。

NOAAやNASAは、世界中の約2万6000か所に上る観測施設や、海域の数千か所で船舶などを使って集めた気温データを分析した。
その結果、20年の平均気温は14・88度で、観測記録が残る1880年以降で最も高かった2016年の14・90度をわずかに下回ったが、20世紀平均(13・90度)を1度近く上回った。
このうち、陸上については平均気温が過去最高となった。地域別でみると、特に欧州とアジアが暑く、いずれも20世紀の平均気温を2度以上も上回り、それぞれの地域で過去最高を記録した。南米も観測史上2番目に暑かった。

海水面の平均温度(16・86度)についても観測史上3番目に高かったといい、研究チームは「温暖化の傾向が明確に表れている。平均気温の上昇は大規模な自然災害を引き起こす」と警告している。
温暖化問題を巡っては、米国のバイデン次期大統領が、20日の就任初日に国際的枠組み「パリ協定」への復帰手続きに入ることを表明。日本も50年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにする目標を打ち出しており、温暖化対策への世界的な機運が高まっている。
国内も暑く 東日本で過去最高
昨年の国内は、気温が全国的に高い状態が続いた。東日本では年間平均気温が平年より1・2度高く、1946年の統計開始以来、最も高くなった。西日本でも平年より0・8度高くなった。 昨年1、2月は寒気の流れ込みが弱く暖冬となった。夏は猛暑で、8月に浜松市で過去最高に並ぶ41・1度を記録した。また、活発な梅雨前線の影響で記録的な大雨となった7月は、東日本の太平洋側と西日本で、月の降水量が過去最多となった。熊本県などで77人が死亡、行方不明者2人を出した九州豪雨も発生した。