120万年前のマンモスDNA、国際チームが解読に成功…100万年以上前は初
完了しました

ロシア・シベリアで見つかった約120万年前の古代マンモスの歯の化石からDNAを抽出し、遺伝情報を解読したと、ストックホルム大や米カリフォルニア大などの国際チームが発表した。100万年以上前のDNAが解読されたのは初めて。成果は英科学誌ネイチャーに18日掲載される。
細胞中のDNAは生物の死後、時間とともに分解が進むため、読み取るのは数十万年前の化石が限界と考えられていた。これまで最古の解読例は、約70万年前の古代ウマのDNAだった。
マンモスの歯は永久凍土に埋もれていたため、保存状態がよかったとみられる。遺伝情報の分析から、120万年前のマンモスは新種で、北米で繁栄した大型マンモスの祖先と推定された。
チームは、このほかシベリアの凍土で見つかった約100万年前の毛の短いマンモス、約70万年前の長い毛に覆われたマンモスそれぞれの歯のDNA解読にも成功した。その結果、毛の短いマンモスは体温や皮下脂肪などを調節する寒さに強い遺伝子群を備え、すでに寒冷地に適応していたことがわかった。
古代DNAの分析に詳しい太田博樹・東京大教授の話「信じがたい古さだが、国際標準にのっとった方法で分析されている。特にミトコンドリアDNAの解読精度が高く、信頼できそうだ。かなりの好条件が重なったと考えるほかない。冷凍庫にしまわれていたような状態だったのだろう」