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富士山が噴火したら、神奈川7市町に溶岩流も「まったくの予想外」

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 17年ぶりに改定された富士山の噴火による災害予測地図(ハザードマップ)で、神奈川県内でも溶岩流が7市町に到達する可能性が新たに示された。大規模噴火の場合、溶岩が谷や川に沿って流れ、開成町では全域が覆われる恐れがある。県は「あくまでも多くの条件が重なったときの被害予測だ」と説明し、「その最悪の事態にも対応できる防災計画づくりを進める」としている。

 山梨、静岡、神奈川の3県などでつくる「富士山火山防災対策協議会」が、2004年策定のハザードマップを初めて見直し、26日に改定版を公表した。従来のマップでは、県内の被害は火山灰の降灰のみと想定されていたが、近年の調査・研究で新たな火口が発見されるなどした結果、溶岩流到達の想定範囲が拡大した。

 改定版では、神奈川寄りの火口から、記録上最大とされる貞観噴火(864~866年)並みの溶岩噴出量(13億立方メートル)があった場合、溶岩流が〈1〉山梨県大月市方面から桂川や相模川などに沿って相模原市緑区へ〈2〉静岡県小山町方面から鮎沢川や酒匂川などに沿って南足柄、小田原市、山北、開成、松田、大井町へ――の主に2ルートで県内に達すると予測している。

 溶岩流は、土石流のように猛スピードで襲ってくるわけではないが、溶岩が流れ込んだエリアでは、建物の再建などは困難となる。最も早く到達すると想定されるのは山北町で、溶岩が流れ始めてから最短で約33時間後。相模原市緑区は9日と11時間後、小田原市は17日と5時間後の想定だ。

 溶岩噴出量2000万~2億立方メートル未満の中規模噴火でも、南足柄市、山北、開成、松田町に流入の可能性がある。県内全域で最大10~50センチ積もる可能性があるとされる火山灰の降灰範囲の想定は、今回の改定での変更はなかった。

 7市町は今後、国から火山災害警戒地域に指定される見込みで、県とともに広域避難計画の策定や地域防災計画の見直しを進める。協議会には知事と7市町の首長が加わる。

「予想外」地域 防災見直しへ

 溶岩流の到達予測範囲に含まれた7市町からは「溶岩流はまったくの予想外」と驚きの声が相次いだ。「防災だけではなく、不動産価値、定住も絡む複雑な問題」と先行きを懸念する自治体も多い。

 「火山灰は想定していたが、溶岩流は……」。開成町の防災安全課担当者は戸惑いながらも、防災計画や避難計画の策定に全力を挙げると語った。

 県内市町村で面積は最小だが、約1万8300人が暮らし、人口増加率はトップクラス。家屋は約6500棟に上る。そんな町の全域が、大規模噴火時には溶岩流に覆われる可能性を突きつけられた。

 あくまで最大想定だが、現実になれば、町民は他自治体に避難しなければならない。担当者は「遠方との協議は、町単独では限界がある。県に調整役を頼むことになる」と話す。

 山梨県境に接する山間部の一部地域に溶岩流が到達するとされた相模原市。具体的な被害想定を確認したうえで、住民説明会を開く方針だ。

 溶岩流到達まで1週間ほどかかるため、住民に情報を伝える時間的余裕はあるとみるが、噴火に伴う降灰や地震で道路が使えなくなったり、停電したりした場合の対応も検討する必要がある。地域防災計画の見直しでは、すでに溶岩流への対応を計画に取り入れている山梨、静岡県の自治体を参考にしていくという。

 ただ、7市町の間では「本当に神奈川まで到達するのか」「溶岩が途中で固まったり、ダムになって流路が変わったりするのではないか」といった声も聞かれる。ある防災担当者は「寝耳に水の溶岩流アラートで住民は驚く。不動産価格や定住・移住などに影響が出ることも予想されるだけに、丁寧に説明していかなければならない」とため息をついた。

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1942326 0 科学・IT 2021/03/27 22:34:00 2021/03/28 17:10:02 2021/03/28 17:10:02 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/03/20210327-OYT1I50023-T.jpg?type=thumbnail

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