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「フィーヨ、フィーヨ」シカの鳴き声探知し頭数推定…尾瀬ヶ原に600頭生息判明

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 東大や福島大などの研究グループが、尾瀬ヶ原(福島、群馬、新潟県)で希少植物に深刻な食害を与えているシカの頭数を鳴き声の探知やドローンによる空撮から推定する方法を開発した。600頭前後が生息していることが判明し、環境省は「自然環境に負荷をかけない方法で精度の高い数字が得られた。将来的に捕獲目標の設定に役立てたい」としている。

 尾瀬ヶ原を含む尾瀬国立公園では、1990年代半ばからシカが確認され、ミズバショウやニッコウキスゲなどが食い荒らされる被害が発生してきた。同省では、フンを数えて推測する手法を検討したが、湿原を歩き回って生態系を荒らす恐れがあるため断念。夜間に湿原をライトで照らし、シカの目が反射する光を数えるなどしてきたが、精度に問題があった。

 そのため同省は、新たな手法の研究を公募。東大生産技術研究所の沖一雄特任教授(52)(計測工学)らのチームが採択され、環境にやさしい手法を2017年度から3年間研究してきた。

 鳴き声探知は、「フィーヨ、フィーヨ」という繁殖期の雄ジカの特徴的な鳴き声を3台以上のマイクで捉え、それぞれに音が届くまでの時間差からシカの位置を特定する。約10平方キロ・メートルの尾瀬ヶ原を囲むように最大7台のマイクを設置して繁殖期の秋に観測。雄と雌の一般的な生息比率などから全体の数を計算し、539~667頭が生息していると推定した。

尾瀬の湿原でミズバショウを食べるシカ(環境省提供)
尾瀬の湿原でミズバショウを食べるシカ(環境省提供)

 さらに、暗闇でも生物の動きを捉えられる熱赤外カメラを搭載したドローン2機を尾瀬ヶ原の上空に飛ばし、シカを撮影する手法も試行。シカは夜間に周囲の森から湿原へ移動する習性があり、空撮の結果、推定で470~696頭生息しているとの結果が出た。

 異なる二つの手法で近い数値結果が出たため、手法の有効性が確認できたという。沖特任教授は「鳴き声を出す動物であれば、シカ以外にも応用できる。今後は個体の識別も目指し、精度をさらに高めたい」と話す。

 環境省関東地方環境事務所は「周辺のシカの生息密度から、尾瀬国立公園全体では1000頭程度とみていた。尾瀬ヶ原で600頭前後は妥当な数字」としている。

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2000405 0 科学・IT 2021/04/21 13:43:00 2021/04/21 13:43:00 2021/04/21 13:43:00 ミズバショウを食べるシカ(環境省提供) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/04/20210421-OYT1I50065-T.jpg?type=thumbnail

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