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沖縄県の尖閣諸島・南小島に生息する絶滅危惧種のアホウドリが18年間で2倍以上に増えていることが、環境省の衛星画像を用いた調査でわかった。人の立ち入りを制限している影響が大きいとみられ、専門家は「今後も増え続けるのではないか」と話している。
環境省は、2020年11月に撮影された南小島の衛星画像を分析。アホウドリのつがいが110~140組程度いると推定した。東邦大の長谷川博名誉教授(72)が02年、南小島に上陸して調査を行っており、この時は、つがいは50組程度と推定されていた。18年間で2・2~2・8倍に増えたとみられる。


尖閣諸島が12年に国有化されて以降、政府は上陸を認めていない。長谷川氏は「人間の上陸によるストレスのない南小島でアホウドリが増えていることは間違いなく、うれしい結果だ。今後も分布域などを追跡調査してほしい」と話している。
アホウドリは繁殖地が日本近海に限られている。1890年代以降、羽毛採取のため大量捕獲され、激減した。1949年に絶滅が宣言されたが、51年に伊豆諸島の鳥島で約10羽が確認され、保護事業が始まった。
尖閣諸島をはじめ無人島に生息するアホウドリは現地調査が難しく、環境省は衛星画像を用いた調査手法の実用化を進めている。