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星飛雄馬の「消える魔球」大リーグボール2号、大谷翔平投手なら「可能性あり」

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 往年の人気野球アニメ「巨人の星」の主人公・星飛雄馬ひゅうまは、過酷な特訓の末に開発した独自の変化球を武器に、強打者を次々と抑えこんだ。近年、解析技術が向上し、計測機器が発達して、こうした変化球の特徴が明らかになりつつある。(中村直人)

〈1〉飛雄馬は一徹から伝授された「魔送球」を改良し、「大リーグボール2号」を編み出した。バッターの手元で球が突然消え、対戦した中日の外国人選手・オズマは驚がくする。

大リーグボール2号を投げる星飛雄馬
大リーグボール2号を投げる星飛雄馬

 作中には3種類の大リーグボールが登場する。打者が構えたバットに危険球まがいの球を命中させる1号、打者の目前で落下した球が急浮上する2号、バットの風圧で球の軌道がずれる超スローボールの3号だ。

 このうち、2号については「理論上は実現できる」と理化学研究所の客員主管研究員、姫野龍太郎さんは説明する。

 球の軌道は球速、回転軸、回転速度の三つの要素で決まる。上手投げの投手が直球を投げると、球には逆回転(バックスピン)がかかる。球の上側の空気の流れが、球の回転方向と同じになるため気流は勢いを増す。反対に下側では流れが滞る。

 空気の圧力(気圧)は、気流が速い場所ほど弱まる。また、物体は、気圧の高いところから低いところに移ろうとする性質がある。そのため、球の上下で圧力差が生じ、球には上向きの「揚力」が加わり、重力の影響が相対的に弱まる。「マグヌス効果」と呼ばれる現象だ。

大谷投手=AP
大谷投手=AP

 姫野さんによると、毎秒50回転の逆回転が加わった時速165キロ・メートルの直球ならば、重力を打ち消す揚力が得られるという。「2号のような『浮き上がる』球を投げられる可能性があるのは、日本人では(米大リーグ・エンゼルスの)大谷翔平選手くらいではないか」と話す。

藤川球児投手(2007年7月20日、東京ドームで)
藤川球児投手(2007年7月20日、東京ドームで)

 2006年にプロ野球の速球投手に行った分析では、阪神タイガースの藤川球児投手(当時)の回転速度が毎秒45.46回転で現役最速だった。回転軸も水平から5度しか傾いておらず、他の投手(10~30度)より揚力が真上に利きやすい状態だった。「火の玉」と称された剛速球は、マグヌス効果を最大限活用した成果だったと言えそうだ。

〈2〉オールスターゲームに登板した飛雄馬は新たな魔球を投じる。南海の野村克也らはバットに球をかすることもできず、空振り三振に倒れる。

花形満(左)と名勝負を繰り広げた星飛雄馬(右)
花形満(左)と名勝負を繰り広げた星飛雄馬(右)

 この時に登場した大リーグボール3号は物理的に不可能だが、空振りを奪える変化球の存在感は近年増している。国学院大准教授の神事じんじ努さん(バイオメカニクス)によると、米大リーグの統計では、スライダーやチェンジアップなどは30%以上の確率で空振りにつながるが、直球は10%台。全球種中の直球の割合は約4割に低下している。

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2086130 0 科学・IT 2021/05/29 11:41:00 2021/05/30 16:19:57 2021/05/30 16:19:57 大リーグボール2号を投げる星飛雄馬※梶原一騎・川崎のぼる/講談社・TMS  ※に丸Cを入れてください https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/05/20210528-OYT1I50093-T.jpg?type=thumbnail

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