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【独自】南海トラフ地震と豪雨の「複合災害」、富岳で予測…理研など被害規模推定へ

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 マグニチュード8~9級の巨大な南海トラフ地震と豪雨が重なる「複合災害」について、理化学研究所などのチームが被害規模の本格的な推定に乗り出す。現実そっくりの街をコンピューターで再現するデジタル・ツイン技術と、世界一の計算速度を持つスーパーコンピューター「 富岳ふがく 」を活用し、今年度内にも推計に着手する。

 南海トラフ地震の想定震源域は東海から九州に及び、政府は30年以内の発生確率を70~80%と想定。被災地では最大23万人の犠牲者と170兆円超の経済被害が出ると試算されている。地球温暖化の影響などで豪雨災害が頻発する中、これらが同時発生する複合災害への懸念が高まっている。

 チームには、理研のほか東京大や九州大、海洋研究開発機構などが参加。まず、民間の住宅地図情報や地盤データなどを基に、街のデジタル・ツインを作成。最大想定の地震をデジタル空間内で発生させ、個々の建物の揺れや液状化するエリアなどを富岳で予測する。

 さらに、地震で不安定になった地盤や変化した地形が、豪雨に襲われるという想定で被災状況を推定。土砂災害や河川氾濫の発生リスクや被災範囲を把握する。経済被害についても、民間信用調査会社が保有する企業データなどを基に算出し、住民の避難行動や公共交通機関への影響を解析する。

 耐震性が不十分な建物や橋、軟弱地盤などを事前に特定し、適切な対策をとることで、複合災害に伴う甚大な被害を軽減し、早期の復旧・復興に生かす考えだ。

 当面は、南海トラフ地震の想定震源域に近い関西の都市部を中心にデジタル・ツインを作る。膨大な計算ができる富岳の登場で、1000万人程度が暮らすエリアを予測対象にすることが可能になったという。今後、首都直下地震を想定した首都圏のハザードマップ(災害予測地図)作りにも活用する。

 理研の大石哲チームリーダー(防災学)は「ある橋が使えなくなると分かれば、それを前提にした避難や復旧の計画が立てられる。『想定外』をなくし、複合災害から早く立ち直れる社会を目指したい」と話す。

 河田恵昭・関西大社会安全研究センター長(減災・縮災学)の話「富岳の能力を生かした重要な研究だ。複合災害のリスクは年々高まっているため、研究成果を自治体、企業と共有し、活用策について知恵を絞る必要がある」

  ◆デジタル・ツイン =デジタル空間に、「双子(ツイン)」のように現実とうり二つの建物や街並みを再現し、実際の人の流れや交通量などのデータを反映させる技術。これまでに東京・渋谷や銀座などが再現された例がある。

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2240959 0 科学・IT 2021/07/28 12:18:00 2021/07/28 12:23:02 2021/07/28 12:23:02 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210728-OYT1I50092-T.jpg?type=thumbnail

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