人の体温でスマホ充電できるかも、汗を利用する挑戦も…変わり種発電「戦国時代」

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 [New門]は、旬のニュースを記者が解き明かすコーナーです。今回のテーマは「発電」。

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 地球温暖化を防ごうと、エネルギーの脱炭素化が加速している。太陽光発電や風力発電などに注目が集まりがちだが、人間の体温や汗による発電、さらに微生物、台風などを利用した発電の研究も進み、実用化の例も出始めている。変わり種発電の「戦国時代」の行方を占う。

体温と気温の差 10度で1ミリ・ワット

 1970年代にテレビ放送された「仮面ライダーストロンガー」は改造された電気人間で、体内で高圧電流を発生させることができた。これは極端な作り話としても、近い将来、睡眠中にスマートフォンを私たち自身の体に接続して充電するくらいは可能になるかもしれない。

 東京工業大などは、人間の体温と気温のわずかな差で発電する「体温発電」を研究中だ。チームは、特殊な素材で作った回路を作製した。リストバンドのように身につけ、10度の温度差で1ミリ・ワットの発電ができる。

 人間は恒温動物で、食事で取り込むエネルギーの7割以上を体温の維持に使うとも言われている。地球上の約80億人の体温を有効活用できれば、世界で消費するエネルギーの1割を補える試算もあるという。

 一方、東京理科大や花王などは、汗を使った発電で戦いを挑む。汗に含まれる乳酸を酸化する酵素を組み込んだ貼り付け型の電池を作製した。乳酸の化学反応で放出される電子を活用して発電する方式だ。東京理科大の 四反田したんだ 功准教授は「誰もがかく汗を利用できれば応用範囲も広く、電力供給の分野に新たな風を巻き起こせる」と意気込む。

雷 強すぎてダメ

 未利用の自然エネルギーに着目した動きもある。新興企業のチャレナジー(東京都墨田区)は、強烈な風雨で各地に被害をもたらす台風の力を発電に活用しようと狙いをつけた。

 一般的な風力発電は、風の力で「羽根」を回して電気を作る。しかし、台風などの強風下では羽根が壊れる恐れがあるため、運転を停止しないといけない。チャレナジーは、羽根ではなく、円筒を風で回す特殊な構造の発電装置を開発し、台風の中での発電を可能にした。

 2018年以降、「台風銀座」の沖縄・石垣島などで実証実験を行っている。同社幹部は、「安定した風が吹きにくい日本に合った発電システムだ。新たな自然エネルギーの掘り起こしにつながる」と説明する。

 自然災害といえば、雷の電気そのものを使えそうにも思える。雷1回分のエネルギーは1世帯の電力使用量50日分にも上るとされる。だが、電力が大き過ぎて、現在の科学技術ではうまくためられない。雷を攻略するのはもう少し未来になりそうだ。

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