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「虐待」「警察」の言葉に反応、赤い文字で警告点滅…児相が電話対応にAI活用

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 東京都江戸川区児童相談所が、人工知能(AI)を活用して電話の音声を記録する新システムの試験運用を始めた。虐待の通告や保護者との通話内容を自動的に文字化する機能を使い、職員による記録作成の手間を省くとともに電話対応の質を上げる狙いがある。区児相によると、業務の効率化のために児相がAIを導入するのは全国的に珍しい。(石浜友理)

内容を要約

 「記録作成にかけていた時間を減らせる分、子どもや保護者と向き合う時間を大切にできる。職員の仕事を手伝ってくれる強力な助っ人だ」。区児相の上坂かおり・援助課長は、AIへの期待をこう語る。

 昨年4月に開設された区児相には、学校や保育園など関係機関からの連絡も含め、1日約300件の電話が寄せられる。5~6人の職員が担当者につなぎ、内容を文書にして残すが、相談は長いケースでは数十分に及ぶことがあり、負担軽減が課題となっていた。

 9月に始まった試験運用では、計10台の対応機器を導入。職員が電話を受けると、やり取りが即座に画面上に文字化され、電話を切ると自動的に内容が要約される仕組みだ。相手が「虐待」「警察」「リストカット」といった言葉を発すると、画面上に赤い文字で警告が点滅する。上司らも画面でやり取りを把握できるため、保護者が威圧的な言葉遣いで話すなど対応が難しい場合は、メモを差し入れて対応方法を助言できる。

 また、区の子育て支援サービスについての会話が始まると、利用時間や料金に関する案内が表示されたり、地名に反応して地図が示されたりする機能もあり、経験の浅い職員でもベテランと同じ質の対応ができるという。

より良い支援を

 厚生労働省によると、全国の児相が2020年度に対応した虐待件数は過去最多の20万5029件(速報値)で、都内は前年度比19%増の2万5736件に達した。江戸川区でも2096件に上っており、来年1月以降は機器を100台に増やして本格運用を始める計画だ。

 現在は、実際の会話と文字化された言葉が異なるケースも少なくないため、AIに単語を学習させてシステムの精度を上げているという。上坂援助課長は「記録作成のため残業せざるを得ない場合もあった。できる限り効率化を図り、家庭にとってより良い支援ができるよう力を入れていきたい」と話している。

虐待対応 判断に活用も…厚労省、システム整備へ

 虐待対応の判断そのものにAIを取り入れている自治体もある。

 三重県は昨年7月以降、全6か所の児相と児童相談センターに計125台のタブレット端末を配備した。チェック項目に沿って、子どもの傷やあざの位置、保護者や子どもと連絡が取れているかなどを入力すると、過去に同様のケースで一時保護をした割合や再発率などが示される。

 児童虐待が急増する中、現場では、子どもを一時保護すべきかどうかなどベテラン職員でも判断に迷う場面が少なくない。同県の担当者は「AIが示す結果にそのまま従うのではなく、一つの判断材料として使うことで、より的確で慎重な判断につながっている」と話す。

 厚生労働省も、一時保護の必要性などの判断にAIを活用する全国共通のシステム整備に向け、準備を進めている。

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2440902 0 科学・IT 2021/10/13 15:55:00 2021/10/13 15:55:00 2021/10/13 15:55:00

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