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子どもが目を輝かせる「茶色いダイヤ」…長寿や運動能力に関係と熱い視線

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 [New門]は、旬のニュースを記者が解き明かすコーナーです。今回のテーマは「便」。

 ベストセラーとなった漢字ドリルに代表されるように、「うんこ」という言葉が市民権を得てきたようだ。科学の世界でも、便に含まれる腸内細菌が長寿や運動能力の向上につながると熱い視線が集まる。その有用性から「茶色いダイヤ」とも呼ばれるうんこに一歩踏み込んでみよう。

「魔法の言葉」、ドリル950万部販売

 「うんこにも羽が生えたらいいのに」――。例文が極めて特徴的な「うんこ漢字ドリル」。2017年の発売以降、算数や英語などのドリルも登場し、シリーズの累計販売部数は、10月末現在で約950万部に上る。

 うんこは、「口にするだけで楽しくなってしまう魔法の言葉」と出版元の文響社。編集を手がける駒井一基さん(35)は「本来は禁忌の言葉を好きなだけ使えるのが子どもにとっては魅力なのでは」と人気の理由を語る。

 単に面白いだけでない。東京大との共同研究で、このドリルは通常のドリルよりも成績の上昇率が高く、記憶が定着しやすいとみられることがわかった。今年3月には海上保安庁と連携した「うんこ海の安全ドリル」が誕生。お堅い官公庁のイメージを軟らかくするのにも一役買っている。

健康な人の便を移植して治療

 便に含まれる腸内細菌と人の健康との密接な関わりは、古くから知られていた。1900年代初め、ロシアの微生物学者イリヤ・メチニコフ(1908年、ノーベル生理学・医学賞)が、ヨーグルトで有名なブルガリアに長寿者が多いのに気付き、「乳酸菌で、老化の原因となる菌を駆逐できる」との説を広めた。

 慶応大などは今年7月、100歳以上の長寿者約160人の便を調べ、腸内細菌が作る特定の抗菌物質が多く含まれていると発表した。この抗菌物質が腸内環境を健康に保つことで、長寿につながっている可能性があるという。

 健康な人の便を移植し、腸内細菌のバランスを整えることで病気を治す「便移植」も、ホットな研究分野だ。順天堂大の石川大准教授(46)は、難病「潰瘍性大腸炎」を便移植で治療する臨床試験を進めている。そのまま便を移植するのではなく、有害な菌などの検査をした上で、生理食塩水に溶かし、 濾過ろか した液を大腸に注入する。石川さんは「従来の薬剤より治療効果が高い患者もいる」と語る。

 スウェーデンの研究では、若いマウスの便を老マウスに移植すると、学習や記憶能力が改善したという。なお、ダイエットやアンチエイジングをうたって便移植を行うクリニックも登場しているが、医学的に効果が確立しているわけではない。

アスリートの腸内細菌を分析

 腸内細菌が運動能力に与える影響にも注目が高まっている。元サッカー日本代表の鈴木啓太さん(40)が起業した新興企業「 AuBオーブ 」は、トップアスリート約750人の便を集め、分析している。その結果、アスリートの腸内細菌は一般の人に比べ種類が多様だということがわかってきた。特に駅伝選手では、免疫の働きに関わるとされる「 酪酸らくさん 」を作る細菌が豊富で、持久力と関係している可能性があるという。

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