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【ワシントン=船越翔】米欧とカナダが共同開発した「ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」が、仏領ギアナのギアナ宇宙センターから25日午前(日本時間同日夜)に打ち上げられる。主鏡の直径は6・5メートルで、史上最大の「目」をもつ宇宙望遠鏡となる。宇宙誕生初期の銀河や、はるか遠い惑星に生命が存在するかどうかの手がかりに迫る。

同望遠鏡は、1990年の打ち上げ以来、数々の成果を打ち立ててきたハッブル宇宙望遠鏡(主鏡2・4メートル)の後継機。アポロ計画などを指揮した米航空宇宙局(NASA)第2代長官ジェームズ・エドウィン・ウェッブ氏(1992年死去)にちなんで命名された。米メディアによると、開発費は約100億ドル(約1兆1000億円)に上る。
欧州の宇宙企業アリアンスペースのロケットで地球を出発し、地球の約150万キロ・メートル外側で太陽を周回する軌道へ来月到達する。来年6月頃まで機器の動作確認を行った後、本格的な観測を始める見込みだ。
遠方の宇宙から届く赤外線をとらえ、約138億年前の宇宙誕生後に初めてできた銀河の発見を目指す。太陽系外の惑星の大気成分などを分析し、生命存在の可能性も探る。
観測装置の運用などに携わっている江上英一・米アリゾナ大教授は「打ち上げが迫り、緊張感が高まっている。高性能の新しい望遠鏡で、想像もしない発見が成し遂げられることを期待したい」と話している。