合言葉とポーズがカギ!「簡単に開かない自動ドア」を大学生が研究

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 自動ドアは便利だが、通行人がセンサーに反応すると、誰も出入りしないのにドアが開いて、電力が無駄になる。文教大学湘南キャンパス(神奈川県茅ヶ崎市)の川合康央教授(情報学)の研究室では、こうした「不必要な開閉」をなくそうと、「合言葉」と「ポーズ」で開く自動ドアを研究中だ。ユニークな取り組みを取材した。(読売新聞オンライン 加藤雅浩)

電力消費、空調の効率化に問題

セリフとポーズを認識し、自動ドアが開くシステムを研究した寺島さん
セリフとポーズを認識し、自動ドアが開くシステムを研究した寺島さん

 研究は、同大4年の寺島樹さん(21)が、川合教授に指導を受けながら進めた。人が自動ドアの前を横切るたびに、開いてはまた閉まるという場面を何度も目にして「必要な時だけ開くようにできないか」と考えたのがきっかけだ。

 自動ドアは、両手が荷物でふさがっていても、ドアの前に立てば開き、新型コロナウイルスの感染が続く中、ドアそのものに触れないのも都合がいい。しかし、誰も出入りしないのにドアが開くと、その分だけ無駄な電力を消費し、建物内の空調の効率も悪くなる。

 寺島さんは「自動ドアの開閉を『合言葉』と『ポーズ』で制御できたら面白いのでは」と考えたという。センサーに手をかざしたり、タッチしたりする自動ドアもあるが、取り替えるには費用がかさむ。「既存の自動ドアに後付けするシステムなら、改修費用を安く抑えることができる」と意義を語る。

テーマパークでの活用目指す

セリフとポーズが一致すると風車が回る
セリフとポーズが一致すると風車が回る

 開発したシステムの仕組みは、(1)事前に、合言葉(セリフ)とポーズをシステムに登録する、(2)ドアの前で登録したセリフを発し、ポーズをとる。その様子を、ドア付近のカメラが撮影する、(3)セリフとポーズが、登録した内容と一致したとシステムが認識すれば、電動の風車が回転する。どちらか一方でも一致しなければ、風車は回らない、(4)自動ドアの人感センサーが風車の動きを感知し、ドアが開く――という仕組みだ。セリフは、どんな言葉を選んでも良く、ポーズも自由に設定できる。

 構想から実験が成功するまでに約半年。その間に就活もして、自動ドアの製造メーカーに就職が決まっているという寺島さんは、「ユニークなセリフやポーズでドアが開くようにすれば、テーマパークのアトラクションなどで活用できるはず」と実用化に意欲を見せる。

識別の精度に課題

 課題は、セリフやポーズが一致するかどうかの識別精度だ。例えば「開け」と「ヒラメ」を正確に認識することは現時点では難しく、「ヒラメ」と発してもシステムは「一致」と判断してしまう。ポーズの方は、体格や骨格が違うさまざまな人たちがポーズを取ることが想定されるため、ある程度、幅を持たせて、どの程度似ていれば「一致」と認識するか、研究を続ける必要があるそうだ。川合教授は「システムに学習させていくことで、認識の精度を調整できるようにしたい」と話している。

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2632714 0 科学・IT 2021/12/27 11:30:00 2021/12/27 12:08:26 2021/12/27 12:08:26 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/12/自動ドア.png?type=thumbnail

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