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北海道の知床半島の自然環境について専門家らが協議する「知床世界自然遺産地域科学委員会」が7日、オンラインで開催され、報告された「知床半島ヒグマ管理計画案」(2022~27年度)の中で、知床半島のヒグマ生息数を400~500頭程度とする速報値が公表された。知床半島のヒグマの精度の高い生息数が示されるのは初めて。

東京農工大、道立総合研究機構、北大、知床財団の共同研究グループが19~21年度、知床半島でのヒグマを調査。知床半島に定着している推定ヒグマ個体数は速報値で、19年は「393~550頭」、20年は「342~457頭」とした。
1990年頃は推定で約280頭だった。国立公園や国指定鳥獣保護区の指定、春グマ駆除制度の廃止などの保護策により増加したとみられる。2010年代からは横ばいになっているとした。
同委員会は環境省や林野庁、道、斜里町、羅臼町、標津町と専門家で構成。会議で、研究グループ代表の宇野裕之・東京農工大特任教授は「現状の知床半島でのヒグマの生息数は400から500頭とみられる」と報告した。
今後のヒグマ管理政策として、生息数維持のため、メスヒグマの捕獲数を年間18頭以下と設定。人とヒグマとの衝突事故を回避するため、▽カメラマンが撮影する際には十分な距離をとる▽釣り人はヒグマの餌となるものを残さず持ち帰る――などの対策が盛り込まれた。