震災後に植樹の海岸防災林、根の発育不十分の恐れ…レーダー使い調査へ

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 東日本大震災後に盛り土に植樹された海岸防災林の根の発育が十分でない恐れがあるため、森林総合研究所(茨城県つくば市)と名古屋大などのチームは2022年度、レーダーを使って根の調査を始める。土を盛った場所は水はけの悪さなどから、木の根が順調に生育できていない可能性があるという。チームは調査結果などを踏まえ、25年度をめどに提言をまとめる考え。

森林総研など レーダー照射

 林野庁によると、東日本大震災では、青森県から千葉県までの太平洋沿岸6県で計約1700ヘクタールの海岸防災林が流失や浸水などの被害を受けた。

 防災林は津波の威力を弱めて内陸部への到達を遅らせたり、漂流物を沿岸にとどめたりする効果があり、政府が改めて植林を進めてきた。昨年度までに仙台湾や宮城県石巻市周辺、青森県の三沢海岸など計約690ヘクタールで植樹を終えた。中には木の高さが4~5メートルまで育っているものもある。

 震災後は、木の根を深く張らせるため、地下水の層から2~3メートルの高さになるよう土を盛ってから植樹をしてきた。

 ただ、重機の作業などにより土壌が想定以上に硬くなると、水はけが悪くなって木が根を張りにくくなることがある。根の発育が不十分だと、巨大津波で木が抜けてしまい、市街地などに流れて被害を拡大させる恐れもある。

 そこで、チームは仙台湾周辺の海岸防災林の数か所で地中にレーダーを照射し、反射波を解析して根の形状や張り具合を調べる。そのうえで、防災林の適切な植樹の方法について検討する。チームの野口宏典・森林総研気象害・防災林研究室長は「津波に強い防災林のあり方を提言したい」と話している。

  ◆海岸防災林= 津波や高潮を弱めたり、潮風や砂から住宅や農地を守ったりするために海岸線に植える林。潮害に強く、やせた土地でも育つクロマツの植樹が主流。岩手県陸前高田市の「高田松原」のように景勝地になった場所もある。

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