メモ入力
-最大400文字まで
完了しました
新型コロナウイルスのオミクロン株のうち、現在主流の「BA・2」の病原性(重症化リスク)は、第6波(今年1~3月)を引き起こした「BA・1」と同程度だったとの動物実験の結果を、東京大や国立感染症研究所などのチームが発表した。論文が科学誌「ネイチャー」に掲載された。


河岡義裕・東大特任教授(ウイルス学)らのチームが、患者から取ったウイルスをマウスとハムスターに感染させて調べた。いずれのウイルスでも体重の減少はみられず、肺炎の程度も軽いなど、重症化させる力に大きな差は見られなかった。感染力はBA・2の方が強いことがわかっている。
チームは治療薬の効果についても検証。国内で点滴として使われている抗体医薬や、飲み薬の抗ウイルス薬の計4種類のほか、塩野義製薬が開発中の薬の候補でも、肺でのウイルスの増殖を約150分の1~約10万分の1に抑えられた。
河岡特任教授は「BA・2の病原性は特に強くなっているわけではない。治療薬を十分に供給できる環境が整い、早期の治療が可能になれば、人々は通常の生活を送れるようになるだろう」と指摘しつつも、十分な感染対策を続けるよう呼びかけている。