破産者情報サイト、国が「閉鎖勧告」も動かず…CDNが隠れみのに

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 破産者の名前や住所をインターネット上で公表し、削除手数料を要求する。こんなサイトの運営者に対し、個人情報保護委員会は今月20日、サイト閉鎖を勧告した。ただ、勧告の対象は「氏名等不詳」。サイトが契約しているCDN(コンテンツ配信サービス)が「壁」となり、運営者の身元が外部から確認できないのだ。勧告から一週間が過ぎた今も、サイトが閉鎖される兆しはない。(編集委員 若江雅子)

削除したければ12万、「恐喝」疑いも身バレせず

 「周囲に知られることを恐れてお金を払ってしまう人もいるだろう。恐喝の疑いもあり、放置できない」。長年、インターネット上の違法有害情報の問題に取り組んできた弁護士の上沼紫野氏は憤る。

 問題のサイトは、官報に掲載された2009年から19年までの自己破産した人の情報を地図上に示して公表している。

地図上に自己破産した人の住所などが記されている
地図上に自己破産した人の住所などが記されている
削除するには暗号資産での支払いを要求される
削除するには暗号資産での支払いを要求される

 ピンをクリックすると名前や住所と共に「削除申請はこちら」の表示が出て、6万から12万円をビットコインで支払えば削除する、とうたっている。

 今年3月にこのサイトの存在に気づいた個人情報保護委員会は、警察に情報提供すると同時に、自らも調査を進め、個人情報の不適正な利用を禁ずる個人情報保護法19条などに違反していると判断した。

 ところが、運営者に勧告を通知しようにも、肝心の身元が分からない。IPアドレスをもとに契約者を調べようとしても、CDN事業者の情報しか出てこないのだ。

高速の閲覧を助けるCDNだが…

 CDNとは、ネット上のあちこちにサーバーを用意し、契約者のコンテンツを一時的に保存(キャッシュ)して、円滑な配信を助けるサービスだ。エンドユーザーは自分の端末に近いサーバーにアクセスでき、高速での閲覧が可能になる。アクセスが殺到してもサイトがダウンしたり、表示速度が遅れたりしないので、音楽やゲーム、動画など大容量コンテンツの配信には不可欠なサービスになっている。

 ただ、その仕組み上、エンドユーザー側から見えるのは、CDN事業者のサーバーのアドレスだけ。このため、運営者が身元隠しに悪用することも可能になってしまう。

 委員会は6月27日、このサイトが使っているCDN事業者、米国のクラウドフレア社に契約者情報を開示するよう任意で協力を求めたが、応じてもらえなかった。

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