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    ITジャーナリスト三上洋さんが、サイバー犯罪から身を守る術や情報流出対策などを解説します。

    災害と停電に備えよう! スマホの電池節約&安全対策

     北海道での大地震、相次ぐ台風、西日本豪雨など、今年は災害が繰り返し起きている。そのたびに問題になるのが、停電時のスマートフォン(以下スマホ)対策だ。今やスマホは家族との連絡や災害情報の入手などに欠かせないライフラインであり、停電で使えなくなると、安全にもかかわる。電池をもたせるにはどうすればいいか、災害に備えて準備するものは何か。災害対策をまとめておく。(ITジャーナリスト・三上洋)

    地震や台風は、ネットワークの基地局を襲う

    • 北海道地震の土砂崩れ現場
      北海道地震の土砂崩れ現場
    • JR札幌駅構内でスマホを充電する人たち
      JR札幌駅構内でスマホを充電する人たち

     北海道地震では、北海道全体が停電となった。その影響で、スマホと携帯電話ネットワークに大きな障害が起きた。このクラスの大災害では、携帯電話ネットワークに以下のような問題が生じる。

     災害直後は、安否確認などの電話が集中することによって、「輻輳(ふくそう)」と呼ばれる通信困難な状況が起こりやすい。こうなると、携帯電話会社は110番や119番を優先するために、通話制限をかけることが多い。ただし、北海道地震は発生が未明の時間帯だったので、通話制限はほぼなかった。

     北海道地震では、携帯電話ネットワーク自体が止まってしまう事態が起きた。スマホ端末の画面表示は「圏外」となる。これは、ネットワーク回線の切断や基地局の倒壊が原因だった。

     また、停電が長時間続いたエリアでは、携帯電話の基地局が稼働しなくなって、スマホが圏外になってしまう。停電になっても、基地局は半日から1日前後ならば、非常用電源によって稼働する。しかし、それ以上停電が続くと、電気が尽きる。北海道地震の現地取材をした記者によると「道路の信号が消えている場所では、携帯電話も圏外が多かった」という。信号が消えている原因は、えてして停電だ。

     北海道地震や台風24号の静岡県内では、停電が2日以上にわたった。安否の連絡や災害情報を知りたいのに、スマホの電池がなくなって、不安な時を過ごした人も多かったはずだ。

    無駄遣いを控える 機内モードも活用を

     停電でスマホの充電ができない場合、まずはスマホ・携帯が使えるうちに安否情報を登録しておきたい。そして、スマホをできるだけ使わないようにすることだ。災害情報を見る場合は、ニュースサイトなどにとどめ、電池を大きく消費する動画ニュースやライブ配信の視聴は避けたい。安否の連絡も、メールもしくはLINEに絞って、他のアプリは使わない方がいい。

     そのうえで、図に記した四つの電池節約法を実行しよう。

     スマホには、省電力機能がついている。これを有効にすると、端末がひとりでに行うアプリ更新などの通信をしなくなるので、消費電力を節約できる。スマホでもっとも電池を使うのが、液晶画面の表示であることも認識しておきたい。画面をこまめに消したり、できるだけ暗くする心掛けが大切だ。アプリの通知をオフにしたり、自動的に画面が暗くなる時間(スタンバイまでの時間、またはロック時間)を短く設定しておくことも有効だ。

     スマホ端末の画面表示で「圏外」の間は、飛行機に乗っている時に使う「機内モード」にするのもいい。スマホ端末は、圏外になると、電波を探し始める。これが大きな電力を消費する。「圏外」が長引くと予想される場合は、機内モードにするのが合理的だ。不安も感じるだろうが、通じないスマホは「寝かせておいて」、ネットワークの復活を待とう。災害用のWi-Fiが使える場所であれば、機内モードにしたうえで、Wi-Fiだけ有効にしてもいい。

    そろえたい充電グッズ 安否連絡は複数確保を

    • 災害に備えてモバイルバッテリーを入手したい
      災害に備えてモバイルバッテリーを入手したい

     今後もきっと、災害は起きる。その時に備えて、スマホを長時間、安全に使える準備をしておくことも大切だ。

     最も重要な準備は、モバイルバッテリーの入手だ。大容量のモバイルバッテリーを購入し、普段使うものと防災リュック用の二つを準備するのが望ましい。容量は、1万mAh(ミリ・アンペア・アワー)あれば、スマホを3~4回程度充電できるので安心だ。1万mAhのモバイルバッテリーは、Amazonなどのネットショッピングサイトでは3000円前後で入手できる。この機会に購入したい。

     次はシガープラグとUSBの変換アダプター。ガソリンがあれば、自動車内でスマホを充電できるので便利だ。自家用車があれば、必ずダッシュボードに入れておきたい。

     安否情報の登録方法もマスターしよう。NTT東日本と西日本の災害用伝言板(web171)、携帯電話会社の災害用伝言板(ドコモauソフトバンク)を前もって開き、使い方を見ておくことだ。災害に遭ったら、スマホや携帯が使えるうちに、「自分は無事で●●にいます」と速やかに登録できるよう、操作に慣れておくべきだ。

     また家族や親しい友人とは、複数の連絡先を確保しておくことが大切だ。メール、LINE、Facebook、Twitterなど、各サービスのアカウントを取得して家族と友人を登録しておこう。どれかがダウンしても連絡がとれるように複数のルートを確保しておきたい。

     加えて、できればスマホは防水対応であることが望ましい。台風や水害で「スマホが防水でよかった」という声がある。次の機種変更では、雨などにぬれても利用できるスマホを選ぼう。

    固定電話の高齢者に気を配って

     最後に、固定電話しか使っていない高齢者向けの対策も必要だ。最近の電話機は、停電すると使えなくなるものが多い。可能であれば、普段使っている電話とは別に、電源なしで動く電話機を用意したい。購入するか、昔使っていた古い電話機があれば、それで通話できる可能性もある。一般社団法人「情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)」は、固定電話機の各機種が停電時に使えるか使えないかについて、まとめたページを用意している。特に高齢の親世代の電話機について、チェックしてほしい。

    2018年10月04日 17時13分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    プロフィル
    三上洋   (みかみ・よう
     セキュリティ、ネット活用、スマートフォンが専門のITジャーナリスト。最先端のIT事情をわかりやすく解き明かす。テレビ、週刊誌などで、ネット事件やケータイ関連の事件についての解説やコメントを求められることも多い。
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