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再生エネ、設置への多大な投資は電気代に上乗せ…[断面]<4>

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 日本の電源は、東日本大震災をきっかけに様変わりした。東京電力の福島第一原子力発電所の事故で信頼を失った原発は一時、稼働がゼロになった。大規模電源だった原発の代わりに、再生可能エネルギーの太陽光発電が急拡大したがこの冬、その脆弱ぜいじゃくさを露呈した。

 「10年前なら、ここまで厳しい状況にはならなかった」。今年1月、電力大手幹部はこぼした。太陽光による発電量の落ち込みが一因となり、電力が逼迫ひっぱくしたからだ。

 電力需要に対する電源別の発電割合は2018年度、火力が77%、再生エネは17%と伸び、原子力は6%だった。原子力と再生エネは、震災前の10年度(原子力25%、再生エネ9%)から立場が逆転した。

 もともと火力発電の燃料となる原油や液化天然ガス(LNG)を中東などに依存してきた日本にとり、エネルギーの多様化は、常に国家的課題だった。

 福島第一原発の事故を受け、日本は数少ない国産エネルギーである再生エネを基幹電源の一つと位置づけた。12年、再生エネ普及のため、国が定めた価格で電力会社が電気を買い取る「固定価格買い取り制度(FIT)」を導入した。その後押しで、太陽光発電に参入する業者が急増し、割合は10年度の0・3%から18年度に6%までに拡大した。

 その普及費用は国民が、電気料金に上乗せされる形で負担している。大手電力の電気料金は19年度時点で震災前と比べて家庭用で約22%、産業用では約25%上がった。

 また、山間地などでは、大規模な太陽光発電施設を設置する開発業者により景観が損なわれたり、災害時に施設が環境を破壊したり二次災害を生んだりする可能性が指摘されるなど、問題点もあらわになっている。

 菅政権は再生エネの中でも、洋上風力に注力する方針を示す。

 海に囲まれた日本で、洋上風力は普及余地が大きい。政府は発電容量ベースで30年までに1000万キロ・ワット(原発10基分)、40年に最大4500万キロ・ワットを目指している。

 もっとも、設置には多大な投資が伴い、太陽光と同様、電気代へ上乗せされることも想定される。

 洋上風力が普及する欧州は、北海など遠浅の海域が広く、年間通じて安定した強い風が見込める立地特徴がある。一方、日本は既存の洋上風力技術で安定的に発電できる地域は少ない。

原発代替 火力に依存

 原発に対しては、福島事故後、世界でも最も厳しいとされる安全基準が導入された。震災だけでなく、テロなども想定し、立地地域の地層調査なども行う。北海道電力泊原発1~3号機(北海道泊村)は、7年を経ても地盤の審査が終わっていない。

 すでに、日本原子力発電の敦賀原発1号機(福井県)など震災後、再稼働を断念した原発は相次いでいる。震災前に54基あった全国の原発は、33基まで減った。再稼働も9基にとどまる。

 運転期間が原則40年と定められる中、残る原発も期限が迫っている。運転期間を延長する特例を認めなければ、10年後に原発が担える電力は最大でも需要全体の1~2割程度になるとみられる。

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1895708 0 企画・連載 2021/03/09 05:00:00 2021/03/09 12:39:49 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/03/20210309-OYT1I50034-T.jpg?type=thumbnail

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