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18歳中村 五輪採用種目V~スケートボード米大会

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米国のプロ大会を制し、東京五輪のメダル候補として期待が集まる中村貴咲

 今月上旬に米カリフォルニア州ハンチントンビーチで行われたスケートボードのプロ大会「VANSパークシリーズ」で、18歳の中村貴咲きさが優勝した。東京五輪で採用されるパーク種目では、世界トップレベルの大会。2年後のメダル候補として注目が集まる。

 巨大なボウルやハーフパイプを組み合わせたような複雑な滑走面で、空中技などを競うパーク種目。中村は8人による決勝で、米国勢や5月に日本選手権を制した四十住よそずみさくら(5位)らを退けた。板が靴に吸い付いているかのような安定した滑りを披露し、「全部ノーミスで滑ることができてホッとした」と笑顔を見せた。

ケガ乗り越え笑顔

 2年前には最高峰とされる「Xゲームズ」も制した中村だが、今年6月にブラジルで開かれた大会で膝の靱帯を損傷し、これが復帰戦だった。ブラジルで勝った四十住が、7月のXゲームズでも3位に入るなど、日本女子のレベルが上がる中、「自分も負けられない」というプレッシャーも乗り越え、「けがした後、トレーニングや食事管理をしっかりやってきたかいがあった」と喜んだ。

 2020年に20歳で迎える東京五輪について、「年齢的にもすごい巡り合わせ。表彰台に立って、スケートボードを知らない人たちにも広められたらいい」。第一人者の自覚を口にした。

佐川涼が初優勝、11歳池田大暉が3位…スケボー・ムラサキ湘南

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表彰式で笑顔を見せる佐川涼(中央)

 「ムラサキ湘南オープン」スケートボード競技(ストリート)が16日、神奈川県藤沢市で行われ、東京オリンピック強化指定選手の佐川りょう(18)が初優勝した。

 佐川は昨年の日本スケートボード協会プロツアー年間チャンピオン。今回は自ら希望して予選にエントリーし、1位で通過した。予選を突破した7人に、14人の招待選手が加わった準決勝でも2位につけていた。

 2位のベテラン瀬尻稜(21)に続き、わずか11歳の池田大暉だいきが3位に入った。池田は、前大会で2連覇を成し遂げた日本のトップライダー池田大亮だいすけ(今大会は不出場)の実の弟。準決勝を3位で通過し、決勝でも難度の高いトリックを正確に決め、体格で上回るライバル選手を振り切った。

華麗なトリックを連発し観客を沸かせた瀬尻稜

11歳ながら3位に入った池田大暉

 上位9人が進出した決勝は、1人ずつ45秒間滑走するソロラン(40点満点)と、自慢のトリックを3本跳んだ追加点(60点満点)の合計で順位を決めた。後半は3人1組になって同時に滑走する「ジャムセッション方式」で行われるうえ、得点の比重も大きい。派手なトリックをジャッジの目の前で決めようと、選手同士の駆け引きも盛んに行われ、詰めかけた観客が歓声を送っていた。

 準決勝で唯一90点台をたたき出し、1位で通過した池慧野巨けやき(17)は、熱中症とみられる体調不良のため、決勝を辞退した。池は今年5月の日本選手権で初優勝し、東京オリンピック強化指定選手となっている。

  • 決勝
    1位
    佐川涼 87.2
    2位
    瀬尻稜 81.3
    3位
    池田大暉 72.7

アスリート

池田大亮

PROFILE

いけだ・だいすけ/2000年8月4日、東京都大田区生まれ。4歳でスケートボードを始める。2016年、日本スケートボード協会プロツアーグランドチャンピオン。2017年、第1回日本選手権優勝。日本ローラースポーツ連盟強化指定選手候補。世界各地で開かれるストリート競技の世界大会「ダムアム」シリーズなど国内外で活躍中。ムラサキスポーツ所属。

INTERVIEW

 アーバンスポーツの国際大会「FISE2018広島大会」のスケートボード競技(ストリート)で優勝した日本のエース、池田大亮選手(17)に今後の抱負を聞きました。

  • インタビュア

    優勝おめでとうございます。

  • 池田

    ありがとうございます。

  • インタビュア

    今のお気持ちは?

  • 池田

    自分の一番大きな技をランの中に入れて優勝できてうれしいです。

  • インタビュア

    決勝の2本の滑りを振り返って。

  • 池田

    1本目は予選と同じように安定した滑りで1位が取れたので、2本目は緊張せずにできました。2本目は自分の一番難しい技を入れてやろうと思って、それができてよかったです。

  • インタビュア

    「一番難しい技」とは?

  • 池田

    「フリップ270リップスライド」という技です。(横方向に)270度回って、板を1回転させて手すりに乗る技です。結構難しいです。この大会で決めようと思って練習してきました。

  • インタビュア

    勝利を確信したのは?

  • 池田

    最後の「マックツイスト」という技です。クォーター(斜面)で540度回る技なのですが、それをメイクした時に優勝だと思いました。

  • インタビュア

    この国際大会で優勝し、自信がつきましたか?

  • 池田

    やはり、こうした世界大会で優勝できて、自分も活躍できるんだなと、すごく思いました。

  • インタビュア

    2年後の東京五輪に向けた思いを。

  • 池田

    東京五輪に出て、金メダルを取りたいです。

  • インタビュア

    次の目標は?

  • 池田

    これからも世界大会とか、海外の大会に出ることも多いので、そういうところで上位に入れたらいいと思っています。

  • インタビュア

    「日の丸」を背負いたいという気持ちはありますか?

  • 池田

    背負ったことがないので、どういう感じなのか分からないですが、背負ってみたいです。

  • インタビュア

    注目されることでプレッシャーを感じますか?

  • 池田

    こういう大会で優勝しているので、日本の大会でも優勝しないといけないので、すごくプレッシャーを感じます。

  • インタビュア

    これからどうレベルアップしていきますか?

  • 池田

    レベルアップというより、技のメイク(成功)率を上げて、余裕を持って大会で出せたらいいと思います。

  • インタビュア

    普段の練習時間を教えてください。

  • 池田

    休みの日は8時間、学校があるときは5、6時間です。

  • インタビュア

    休みの日の過ごし方は?

  • 池田

    朝9時か10時に近くのスケートパークに行って練習して、昼ご飯を食べて、違うパークに移動して、夜8時半くらいまで練習しています。

(2018年4月7日、広島市で)

INTERVIEW MOVIE

競技紹介・みどころ

競技紹介

 空中での動作による技(「トリック」と呼ぶ)を繰り出し、その難易度や高さ、スピードを競う。靴底に車輪をつけて滑るローラースケートなどをはじめとした「ローラースポーツ」の一種。

 1940年代に米国の西海岸で生まれたとされるが、起源には諸説ある。

 日本では60年代、まずサーファーたちがこの新しいスポーツにのめり込んだ。これが国内の「第1次ブーム」だ。

 本格的な流行が訪れたのは、70年代中頃のこと。76年に創刊された平凡出版(現マガジンハウス)の若い男性向け雑誌「POPEYE(ポパイ)」が米国の最新ファッションの一つとしてスケートボードを紹介、都市部の若者にも関心が広がり、人気に火がつく。全国の公園で、スケートボードに興じる若者の姿が見られるほどの流行となり、各地で大会も開催されるようになった。人気はまもなく沈静化したが、選手の間に、「一過性のブームに終わらせず、競技として発展させたい」という機運が高まり、1982年3月、それまで乱立状態だった競技団体をまとめる形で「日本スケートボード協会」が誕生。協会は、競技普及のため、選手のサポート体制の構築や大会開催に取り組んできた。いわゆる「ストリート文化」としてファッションの文脈で人気が再燃した90年代を経て、近年はより競技性が高まっている。

 そんななか、東京オリンピックの新競技に決まった。若者に人気のある競技としてサーフィンやスポーツクライミングとともに国際オリンピック委員会(IOC)が開催を強く希望したためだ。競技団体は日本ローラースポーツ連盟で、日本スケートボード協会も協力態勢をとっている。

 現在、国内には40万人規模の愛好者がいると見られるが、大会に出場する競技人口は3000人ほど。東京オリンピックを機に、競技人口の増加に弾みがつくことが期待されている。ただ、車や歩行者の多い公道や歩道での滑走は道路交通法で禁止され、公園や遊歩道では騒音などの苦情が出るケースも少なくない。このため、「パーク」と呼ばれる専用施設が各地に整備され、競技場所として普及しつつある。

みどころ

 競技種目にはボードを立てて乗ったりするフリースタイル(フラットランド)など複数の種目があるが、東京オリンピックでは男女別に「ストリート」と「パーク」が実施される。

1 ストリート

 その名の通り、街で見かけるようなベンチや坂道、縁石といったものを模したセクション(構造物)を配した空間が競技会場となる。選手は、それらセクションの形状などを生かし、技を披露する。

2 パーク

 競技会場は、平らな床面、湾曲した斜面などを組み合わせたコースになっている。斜面を利用してスケートボードで駆け上がり、宙高く飛ぶ「エア・トリック」の出来を主に競う。

 夏季アジア大会予選を兼ねる2018年5月の日本選手権でも、両種目が実施された。ベテランプレーヤーによる5審3採制(5審の点数のうち最も高い点数と最も低い点数をカット)で、技の難度や正確性などが総合的に判断され、採点が行われた。これまでは大会ごとに独自ルールで開催してきたケースが多く、現在オリンピックに向けた統一ルール作りが進められている。