大槌町

 海岸から約300メートルの位置にあった町役場が津波にのまれ、町長、課長級職員7人など40人が死亡・行方不明となり、行政機能は混乱した。2015年の国勢調査の速報値では、10年の前回調査に比べて、23.2%(3544人)減と、人口が大きく減少している。ひょっこりひょうたん島のモデルとなった蓬莱島には、地元住民がデザインした灯台が再建され、神社の鳥居も作られている。

データ
岩手県大槌町
震災前後の人口の変化(国勢調査から)
2010年15,276人
2015年速報値11,732人
被害状況(町、県まとめ)
死者数813人
不明者数420人
住家被害(半壊以上)4,167棟
関連記事

山田線・大槌川橋梁 復旧工事の安全祈る

2016年1月28日掲載

津波で橋桁や橋脚が流された大槌川橋梁

 東日本大震災で不通となり、三陸鉄道への移管が決まったJR山田線宮古―釜石駅間(55・4キロ)で、津波で流された大槌川橋梁(きょうりょう)の復旧工事が本格的に始まることになり、27日に安全祈願祭が行われた。

 吉里吉里―大槌駅間の大槌川にかかる大槌川橋梁は、総延長380メートルの橋桁が全て流された。橋桁を支える橋脚も22基のうち9基が流失した。工事では、残った橋脚の補修や新たな橋桁の設置を2018年度初め頃の完成を目指して進める。

 安全祈願祭には工事関係者ら約30人が出席した。JR東日本東北工事事務所復興推進課の松沢智之課長は「安全に工事を達成し、地域の発展に寄与していきたい」と期待を込めた。

 三鉄に移管される区間の開通は18年度の見通し。

大槌に産直施設オープン 農業の復興拠点に

2016年1月16日掲載

 産直やレストランを併設した「大槌町沿岸営農拠点センター」が15日、大槌町大槌にオープンした。産直には地元産の野菜や果物、総菜などのほか、地元水産業者の水産加工品も取りそろえており、大槌の農業の復興拠点として期待される。

 JAいわて花巻が運営する施設は鉄骨2階建てで敷地面積は約3500平方メートル。総事業費約3億6000万円のうち約8割が復興交付金でまかなわれた。1階には東日本大震災で全壊したJAいわて花巻大槌支店のほか、産直、レストランが並び、2階は研修室として多目的に利用できる。

 開所式で平野公三町長は「町と農協で歩調を合わせ、農業振興と地域活性化に取り組んでいきたい」と話した。開所前には約50人の行列ができ、地元産のシイタケを買った大槌町大槌の佐々木せつ子さん(64)は「近所なのでたくさん利用したい」と話していた。

 営業時間は午前9時~午後5時(4~11月は午後6時まで)。第2木曜定休。

多くの買い物客でにぎわう店内

ひょうたん島の鳥居 復活 蓬莱島 弁財天像は来年4月に

2015年12月2日掲載

 テレビ人形劇「ひょっこりひょうたん島」のモデルとして知られ、東日本大震災で大きな被害を受けた大槌町の蓬莱(ほうらい)島に1日、鳥居が取り付けられ、島の復興プロジェクトがほぼ完了した。近くの神社に仮安置されている弁財天像が来年4月に島へ戻され、完全復活する予定だ。

 大槌湾に浮かぶ周囲約200メートルの蓬莱島は、津波で灯台と鳥居が根元から折れ、弁財天像を安置していた社や参道も大破した。2013年5月に地元有志が「ひょうたん島復興プロジェクト」をつくり、日本財団や全国の個人から集まった約3000万円を弁財天像の修復や島の再建にあてた。今年6月に安全祈願祭を行い、外壁が震災前と同じ黄緑色の社が11月に完成。防波堤と島をつなぐ参道も整備された。

 この日は約1時間半かけ、震災前と同じ大きさ(高さ3・6メートル、幅4メートル)の真っ赤な鳥居が取り付けられた。震災前はコンクリート製だったが、強度のあるステンレス製にした。工事関係者らが神事を行い、島の復興を祈った。

 今後は植栽などを進める。震災で中断していた「ひょうたん島まつり」を来年4月29日に復活させるのに合わせ、近くの八幡神社に仮安置している弁財天像も島に戻す予定だ。

 同プロジェクトの岡本大作代表(66)は「全国のみなさんの協力のおかげ。ひょうたん島の復興で地域を明るくできたらうれしい」と話している。

鳥居が取り付けられた蓬莱島