陸上競技 男子100メートルT44で優勝した佐藤圭太選手(2)(6月26日、名古屋市のパロマ瑞穂スタジアムで)

用具やサポーターの支援で、走り、跳び、投げる!

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 トラック競技、跳躍競技、投てき競技、マラソンなどで、記録を競い合うのが陸上競技です。
 パラリンピックの場合は、車いす、義足、視覚障害、知的障害など、さまざまな障害のある選手が出場するため、障害の種類や程度によってクラス分けされます。

どんな競技?

パラリンピック・リオ大会の競技種目は表1の通りです。

(表1) 種目
100m
200m
400m
800m
1500m
5000m
4×100m リレー
4×400m リレー
砲丸投げ
円盤投げ
やり投げ
こん棒投げ
走り幅跳び
走り高跳び ※ 男子のみ

 異なる障害の選手同士で競い合っても、順位を判断することが困難なので、各種目で障害の種類や程度を考慮した「クラス分け」を行います(表2)。これにより、公平な競技が行われています。そのため、レースの数が多くなります。

クラス (表2) 障害種別
T/F11 視覚障害
T/F12
T/F13
T/F20 知的障害
T/F31 脳性まひ
(車いす)
T/F32
T/F33
T/F34
T/F35 脳性まひ
(立位)
T/F36
T/F37
T/F38
T/F40 低身長症
T/F41
クラス (表2) 障害種別
T/F42 下肢切断
T/F43
T/F44
T/F45 上肢切断
T/F46
T47
T/F51 脳性まひ以外の車いす
(頸髄損傷、脊髄損傷、
切断、機能障害)
T/F52
T/F53
T/F54
F55
F56
F57

ジャパンパラ競技大会におけるクラス分け表をもとに、国際大会基準で作成した表。Tは競走・跳躍種目、Fは投てき種目

「クラス分け」は、「クラス分け委員」が決定

 選手一人ひとりのクラスを決めるのは、「クラス分け委員」です。委員には公認の資格が必要で、医師、理学療法士、公認のコーチやトレーナーなどが就任しています。陸上競技に必要な筋力や関節の可動域のテストをします。腕や脚を切断している場合は、欠損部分の長さを計測します。また、実際に競技している姿も観察した上で、クラス分けを決定します。

パフォーマンスを引き出す用具や伴走者

 選手は進化し続ける用具を使いこなし、競技に挑みます。
 用具を使いこなすことも、陸上競技には大切なことです。
 車いす競技では、「レーサー」と呼ばれる軽量な専用の車いすを使用します。障害の度合いに応じて着座姿勢に違いがあります。下り坂では時速50㎞以上になるほどの高速レースが展開されます。

イラスト:[1] 正座での着座姿勢
イラスト:[2] 重心が後ろの着座姿勢

練習を行う土田和歌子選手(左)と副島正純選手(右)。ともに車いすマラソン日本代表。1月24日撮影

 下肢を切断した選手は、スポーツ用に開発された義足を装着して競技に参加します。義足は日々進化していて、現在はカーボンファイバー製のものが主流です。地面を蹴る反発力によって、速いスピードが生み出されています。

写真:山本篤選手

男子走り幅跳びT42クラス世界新記録で優勝した山本篤選手。鳥取市のコカ・コーラウエストスポーツパークで。5月1日撮影

写真:鈴木徹選手

男子走り高跳びT44で優勝した鈴木徹選手。新潟市のデンカビッグスワンスタジアムで。6月4日撮影

男子走り幅跳びT42クラス世界新記録で優勝した山本篤選手。鳥取市のコカ・コーラウエストスポーツパークで。5月1日撮影

男子走り高跳びT44で優勝した鈴木徹選手。新潟市のデンカビッグスワンスタジアムで。6月4日撮影

 視覚障害の選手は、「ガイドランナー」と呼ばれる伴走者とともに走ります。レース中は一心同体となり、声をかけたり息を合わせたりして走ります。
 パラリンピックでは、一緒に競技を行い、3位以内に入った場合、ガイドランナーにもメダルが贈られます。

コミュニケーション力と競技力が求められる

日本代表選手

 5月1日に行われたリオデジャネイロ・パラリンピック代表選考会を兼ねた日本パラ陸上選手権大会において、男子走り幅跳び(片だいたい切断などのT42クラス)で、山本篤選手が世界新記録で優勝。メダルの期待がかかります。
 2015年に行われた世界選手権(マラソン・視聴覚障害の部)で3位に入った堀越信司選手にも注目です。
 また、2000年シドニー大会から5大会連続出場で、男子走り高跳び代表の鈴木徹選手も今大会メダルを目指します。

※ 陸上選手名簿は、「リオ2016パラリンピック競技大会 日本代表選手団第二次発表、第三次発表」をご覧ください。

参考文献

「かんたん!陸上競技ガイド」(公益財団法人 日本障がい者スポーツ協会)

YOMIURI ONLINE 読売新聞

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