新幹線の半世紀

「ママ鉄」も
 テンションマックス

 おもちゃ業界には新幹線にまつわる様々な「伝説」がある。「プラレール」を扱うタカラトミーでは、東北新幹線モデルの発売を巡ってこんな話がある。
 おもちゃといえば赤、青、白の3色が絶対的な売れ筋とされる。通称「チャンピオンカラー」と呼ばれ、他の不人気色は敬遠される。ところが東北新幹線の車体カラーは緑だ。
 「これで売れるだろうか……」
 社内でも売れ行きを危ぶむ声が上がったが、ふたを開けてみれば、売り上げは目標の2倍。「新幹線は強い」。誰もがそう思った。

 東海道新幹線が誕生したのは1964年。開業当初から、子どもたちの心をわしづかみにした。3年後に生まれたのが、「はしれ ちょうとっきゅう」。
 ビュワーンビュワーンはしる――。今も幼稚園や保育園で歌い継がれている息の長いヒット曲だ。
 作詞した作家の山中恒さん(83)は、「子どもたちの憧れを込めてつくりました」と当時を振り返る。歌詞に出てくる「時速250キロ」は追い越されてしまったが、「新幹線には機能的な美しさ、絶対的なスピード感がありますね」。

タカラトミー提供

 今年7月、夏休みシーズンに入った最初の週末にJR東海浜松工場で行われたイベントには多くの親子連れが詰めかけた。車体をクレーンでつり上げる作業には誰もが大興奮。「うわー、すごい」。大人たちも目を輝かせていた。
 最近は、子どもと鉄道図鑑などを眺めているからか、新幹線に詳しい「ママ鉄」が増えた。タカラトミーでプラレール担当の檜垣(ひがき)真一郎さん(39)によると、おもちゃ売り場でのやりとりも様変わり。昔は「新幹線ください」としか言わなかったママたちが、「N700系(のぞみ)はありますか」「E5系(はやぶさ)ください」と「車種」で指名買いするという。

イベント「新幹線なるほど発見デー」で、ドクターイエローを見学する親子連れら(浜松市中区のJR東海浜松工場で)前田尚紀撮影

◎ママ鉄

 電車好きのわが子(子鉄)の影響を受けて鉄道ファンになった母親のこと。読売新聞都民版「ママ鉄の電車ウォッチ」を連載中のフリーライター棚澤明子さん(41)は、ママ鉄の間で根強い新幹線人気について、「『速い』『車体がカラフルできれい』などと、子ども目線で一緒に楽しめるから」と分析する。

ページ一番上の写真:新幹線開業50年を記念したイベントで、新幹線の車体をつり上げる作業に歓声が上がった(今年7月26日、浜松市で)

※タイトルイメージに使用の新幹線車両写真はJR東海提供

今回取り上げた新幹線写真の一部は、「よみうり報知写真館」で購入できます
 
協力
公益財団法人 鉄道総合技術研究所  JR東海  JR西日本  久保敏さん  かけやまさん(新幹線側面写真提供)
 
製作
[編集] 東京本社社会部・編成部・校閲部 大阪本社社会部 中部支社社会G 東京本社メディア局企画開発部・川嶋路大 武田潤 同編集部・田口栄一
[デザイン] 東京本社メディア局企画開発部・雨宮健雄 藤垣円 荒木田美咲  [イラストレーション] 荒木田美咲  [フロントエンド開発] 雨宮健雄 西川一格
[写真] 東京本社写真部 中部支社写真G 大阪本社写真部  [動画] 蓑輪潤 西山修平
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