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古民家カフェからにぎやかな街を <富山>

 個性豊かな橋が架かる運河の緩やかなカーブに沿って民家が並び、係留された舟が川面に揺れる。水辺の暮らしが独特の景観を作り出す射水市(旧新湊市)の内川。ベンガラ色の屋根が特徴的な東(あずま)橋のたもとに、一風変わった六角形の古民家がある。昨年1月オープンした「カフェuchikawa六角堂」だ。

六角形の古民家を改装したカフェを経営する明石さん

 かつて畳屋だった築70年の民家を改装した。モダンでありながら落ち着いた雰囲気の店内では、客がゆったりと時を過ごし、会話を楽しむ。畳のへりを使ったコースターやクッションに、畳屋の面影がしのばれる。

 「店一つがにぎわえばいいのではなく、店を入り口にして内川に興味を向けてもらい、相乗効果で街をにぎやかにする拠点にしたかった」。オーナーでまちづくり会社「地域交流センター企画」代表の明石博之さん(43)(富山市)は語る。

 隔週水曜夜に六角堂で開催している6人限定のお茶会「夜寄るカフェ」は23回を数える。漆芸家や瓦職人など、県内で活躍する若手のプロフェッショナルをゲストに招き、仕事について語ってもらう。「100回まで続けて、できれば本にまとめたい」という。

落ち着いた雰囲気の店内

 北陸新幹線が開業すれば観光客がどっと増える、といった見方には懐疑的だ。「もともと富山に来たいという目的や動機、人とのつながりがあることが重要」と語る。今の観光客が求めるのは、本物の食や文化、自然などに触れる精神的な満足度。「それは富山に現にあるが、うまく発信できていない。『海の幸、豊かな自然、温かい人情』は日本全国どこにもある。ほかと違うどういうものがあるか、具体的に言えるようにすることが、新たな交流人口を生み出すことにつながる」と提言する。

(2014/5/5 富山県版の記事より。年齢・肩書きは、新聞掲載日のものです)

今回取り上げた新幹線写真の一部は、「よみうり報知写真館」で購入できます
[協力] JR東日本・JR西日本(運転席動画提供)
[編集] 東京本社・長野支局、新潟支局 北陸支社・富山支局、金沢支局 メディア局企画開発部
[デザイン] 東京本社メディア局企画開発部デザインチーム 株式会社ロフト  [イラストレーション] 荒木田美咲  [動画] 蓑輪潤、和多史朗
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