「飯山線観光列車 おいこっと」で
ふるさとに帰る旅!(PR)

 北陸新幹線の金沢延伸開業で、長野・新潟も観光の幅が大きく広がった。長野駅~十日町駅で新しく運行を開始した「飯山線観光列車 おいこっと」は、「日本人のこころのふる里を巡る旅」をテーマにした列車だという。旅のプランに組み込み、ちょっとした癒しを楽しんできた。
※この記事はJR東日本の「飯山線観光列車 おいこっと」とのコラボ記事です。

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朝からにぎわう善光寺

  今回乗車する「おいこっと」は、長野駅を出て、飯山線で十日町駅に向かう。その車窓には、千曲川沿いの田園風景が「ふるさと」のように広がり、さらに、地元住民や企業による「おもてなし」が楽しみな列車だという。

さすが善光寺! 朝から多くの人が訪れます

 乗車前に、善光寺参りをしようと長野駅を歩き出す。さすが長野!多くのそば屋さんが軒を並べている。早朝でなければ、ズルズルッといきたいところだ。
 さすが名刹。参道には、朝早くから、観光客や、ランニングする人の姿が絶えない。お店の軒先では、まだ猫も寝ているというのに。

何度も見上げてしまった善光寺の山門

 善光寺を訪れるのは8年ぶりだ。ひとつ、とても楽しみにしていたことがある。本堂の手前にそびえる「山門」が、当時は修復工事中で覆われ、見ることができなかった。修復は2008年に完了し、今日は、はじめて善光寺の全貌を目にできるというわけだ。 「立派なものだな」。山門の下で立ち止まり、何度も見上げてしまった。

 本堂へと足を進めると、男性に「ご利益あるぞ」と話しかけられた。「この春に退職したから、元気で、子どもに迷惑かけないようにしないとね」と市内の自宅から時折、10キロの道のりを歩いて参拝しているらしい。僕もそんな風に、健康的に年をとりたいものだ。

「故郷」をモチーフにした古民家

長野駅から「おいこっと」の旅に出発!

 長野駅へ戻り、「おいこっと」を出迎える。一見すると普通の外観だが、よく見ると車体のあちこちに、兎や山、小鮒、川などが描かれている。この組み合わせは、そう、唱歌「故郷(ふるさと)」の歌詞に登場するものだ。故郷を作詞した高野辰之が、飯山線沿線の長野県中野市の出身であることにちなんだらしい。

乗り込んで、思わず息をのんだ。「おー、田舎のおばあちゃんの家だ!」。

野沢菜の漬物。お酒にも合うはずだ

 車内はまるで「古民家」。窓のロールカーテンが、障子を模したデザインになっている。やわらかな日差しで、子どもの頃、夏休みに祖父母の家に遊びにいった時のことを思い出す。そうそう、こんな縁側で昼寝したなあ。
 昔を思い出して興奮していると、「野沢菜をどうぞ」と、もんぺ姿の女性がやってきて、漬物のパックを手渡してくれた。女性は「おいこっと あてんだんと」という乗車スタッフで、沿線の観光地を教えてくれたり、記念撮影を手伝ってくれたりするそうだ。

列車は、9時15分に長野駅を出発。

駅で購入したお茶を開け、さっそく野沢菜を味わう。シャキシャキ噛むと、うまみがジュワっと口に広がる。
「夏休み、こんな風にして、縁側にゴロゴロしたなあ、もう戻らない時間だけど、今思えばすごく贅沢なことだったなあ」と思っていたら、車内ではやはり昔を思い出すのか、お年寄りのグループが一番もり上がっていて、高笑いが何度も聞こえて来た。

車窓風景は緑豊かに移ろう

唱歌「故郷」を生んだ最高の景色です

 「おいこっと」は2両編成のディーゼルカー。日によっては、1両での運転もあるそうだ。座席の生地はやはり古民家らしい絵柄で、座布団に座っているような気分になる。車内は大部分がこげ茶色に塗られ、古民家の風情がよく再現されている。徹底した演出だなあ。
 窓に目をやると、「緑が近い!」。山側を走る座席に座ったため、間近に迫る草木を楽しめる。田んぼ、民家と車窓が移ろい、一群の白い蝶が舞っているのを目にしたときは思わずウットリした。

子どもに還れるおもてなし

アマチュア落語に車内は大爆笑

 替佐駅を過ぎると、先頭車両で、マイクを握った和服姿の男性が話し始めた。中野市のアマチュア落語家だ。「むかしむかし、ある男が鳥を助けた夜に、女が訪ねてきた。私は目が悪いけど、きっと皆さんのような美人だった…」。これだけで、乗客のおばあさま方は大爆笑!
 どうやら「鶴の恩返し」を下敷きにしたネタらしい。「絶対にのぞかないで、と言われた男がね、翌朝、女の部屋を見たら…。一切合財なくなっていた! ツルだと思ったら、サギだった!」。これには僕も吹き出してしまった。年齢層の高い車内を見回すと、皆さん、子どもの表情に戻っている。続く手品にも、大喜びだった。車内のおもてなしは、運行日によって見られる区間や内容が変わるそうだ。

飯山駅で地酒のふるまい。もう一杯!

 列車は、北陸新幹線と接続する飯山駅でしばらく停車した。ホームでは、飯山市の酒蔵、田中屋酒造店と角口酒造店提供の地酒を飯山駅観光案内所のスタッフがふるまっている。紙コップに注いでもらい、ぐびぐびっと一気に飲み干す。そうだよね、“大人の休日”には、お茶よりコレだよね。
 子どもの頃の思い出に浸っていたけど、この旨さがわかるのが大人の特権なのだ。年を重ねる中で、また新しい喜びにも出会えるだろう。乗客の人生の先輩方を見ていると、そんなことを思った。この日はふるまい酒だったが、飯山駅では週替わりのおもてなしが楽しめる。

さらに足を延ばして満腹に

里山とアートが融合する「まつだい『農舞台』」

  つかの間のタイムスリップ気分を味わったあとは、終点の十日町駅からまつだい駅へ。駅舎に隣接する敷地に、「まつだい『農舞台』」という、里山の風景と現代アートを一緒に楽しめるスポットがある。お目当ては、ここの食堂で土日祝日に提供される「里山ビュッフェ」。
 ビュッフェに並ぶ約20種の料理は、食材のほぼ全てが地元産。真っ白な大皿に盛りつけると、ニンジン、トマト、キュウリ、ナスなど色とりどりの野菜が映える。アートの施設だけあって、料理までが目を楽しませてくれる。
 パクリ。切っただけのキュウリの味の濃さに驚く。冷しゃぶの妻有ポークは口に含むと、どこか野性的な香りが漂う。そして、ごはんのお米の一部は、食堂の大窓から見える、ロシア人作家の彫刻を配した棚田で収穫したものだそう。どれも、一口食べる度、身体が喜んでいるのが伝わってくるような料理だった。

見た目にも美しい「里山ビュッフェ」

 帰りの列車に乗りこんだら、満腹のせいか、すぐにウトウトし始めた。今度は、自分の故郷に帰ろう。おいこっとに乗っていたら、恋しくなってしまったから。

(文・武田潤、写真・岩佐譲)

「おいこっと」の詳しい情報はこちら

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左下の「おいこっと」はJR東日本提供

今回取り上げた新幹線写真の一部は、「よみうり報知写真館」で購入できます
[協力] JR東日本・JR西日本(運転席動画提供)
[編集] 東京本社・長野支局、新潟支局 北陸支社・富山支局、金沢支局 メディア局企画開発部
[デザイン] 東京本社メディア局企画開発部デザインチーム 株式会社ロフト  [イラストレーション] 荒木田美咲  [動画] 蓑輪潤、和多史朗
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