連載 侍出陣

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  • 侍ジャパンの柱はこの選手だ!

侍ジャパンのクリーンアップトリオが固まった

(編集委員・三宅宏)

 3番・坂本(巨人)、4番・筒香(DeNA)、5番・中田(日本ハム)の3人である。
 注目はもちろん、4番の筒香だろう。
 開幕(3月7日)までの強化試合・壮行試合の5戦で、筒香と中田の2人に4番の座を競わせるという見方もあったのだが、合宿2日目の2月24日に小久保監督が明言した。
 「(筒香の4番で)固定です」
 どっしり構える左のスラッガーに、打線の核を託した。

 昨年は本塁打王(44本)、打点王(110打点)の2冠に輝いた長距離砲は、実は、流し打ちがうまい。昨年の44本塁打のうち、12本が左方向への一発だった。稲葉打撃コーチは「ヒットも長打も広角に打てる。代表の4番は大きいのを期待されがちだけど、確実性が大事になってくる。今までやってきたバッティングを続けてくれれば」と、主砲の打撃に期待を寄せる。
 稲葉コーチが言う通り、筒香の流し打ちは魅力的だ。
 2月25日の強化試合・ソフトバンク戦では、左前にライナーで運ぶシュアな打撃を見せた。一発狙いでないことの証しといえる。
 「監督からは『どっしりと思い切ってやってくれ』と言われた。侍ジャパンには周りにすごい選手がたくさんいるので、4番という意識よりも後ろにつないでというのが自分のイメージです」
 勝つためには、「フォア・ザ・チーム」に徹する構えだ。

 筒香からバトンを受ける中田の役割も大きい。
 小久保監督は「筒香4番」を明言したその日に、「彼の後ろを打つバッターが大事なので、そこにはやっぱり中田が入ってこないと。やってもらわないと困る」と続けている。
 中田は4日間の合宿段階ではパッとしなかったが、首脳陣は「あと10日で仕上げるでしょう」(小久保監督)、「3月7日までに100に持っていってくれると信じている」(稲葉打撃コーチ)と信頼を寄せている。

 最後に坂本だ。
 「ショートのレギュラー」は確約されているものの、打順については「3番」とは合宿段階では明言されていない。しかし、状況から見て、「3番・ショート」は動かないだろう。
 昨年は、ペナントレースでは「3番・ショート」で固定されていたが、短期決戦のクライマックス・シリーズでは、チーム事情から「1番」を打った。WBCは同じ短期決戦でも、山田(ヤクルト)、青木(アストロズ)ら1番候補が大勢いる。坂本が無理して1番を打つ必要はないのだ。
 あるWBC関係者は「『3番・ショート・坂本』が崩れる時は、相当まずい時」と断言する。1番に坂本が回るというのは他の1番候補が不調というわけで、坂本が下位に回るというのは坂本自身の調子が悪いというわけだ。
 坂本は筒香以上に、「つなぎ」の意識が強い。「全員がつないでつないで1点でも多くという気持ちがないと、外国人のパワーに勝てない」と話しており、合宿初日の打撃練習では、50球のうちセンターから右に打ったのは47球という徹底ぶりだった。

 さて、投手の柱である。
 大谷(日本ハム)が欠け、大谷・菅野(巨人)の2本柱から、菅野1人だけになった。大黒柱と言っていいだろう。大谷と菅野の2本柱があれば、お互いにカバーしあうこともできたが、菅野1人となると、彼が投げる試合は絶対に落とせない。
 実力、存在感は別格だ。
 合宿2日目の2月24日、菅野だけが練習を免除されて休養となった。合流前の22日に巨人の練習試合で登板していたための配慮とはいえ、たった4日間の合宿のうち1日を「来なくていい」というのは特例に映る。権藤投手コーチは、調整を菅野に一任しており、やはり、別格感は強い。
 菅野自身は新たにチェンジアップを覚え、登板時は味方の攻撃の際にベンチ前でのキャッチボールをやめる(※WBCでは禁じられている)など、WBC対策はバッチリだ。


〈頂 ケガなく一年〉

 2月1日に巨人がキャンプインした際、菅野は青島神社の絵馬に、こうしたためた。
 「頂」の一文字に、菅野の強い思いが込められている。

(書き下ろし・2017年2月27日公開)

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