連載 侍出陣

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大谷不在「皆で活躍」

(北口節子)

 前回WBCでは23歳で野手最年少だった日本ハム・中田は、2度目のWBCでの自らの役割を「ピンチの時、支えられるような打撃をしたい」と語る。その言葉には、日の丸を背負う誇りと覚悟がにじみ出る。

 2014年から3年連続で100打点以上を挙げ、昨季はパ・リーグ打点王に輝いた球界屈指の強打者。今大会でも侍ジャパンの4番を務めることが有力視されており、小久保監督も「ランナーをかえす勝負強さを期待している」と語る。

 米アリゾナ州の一軍キャンプには同行せず、「こっちの方が数を打ち込めるから」と、沖縄県国頭村の二軍キャンプで一心不乱にバットを振り続ける。例年に比べ体を絞り、キャンプ初日には夜間練習で150球を打ち込むなどハイペースの調整だが、「WBCに出るメンバーはみんなそうじゃないですか」と、さらりと話す。

 2日目には、全体練習の後に約1時間20分のロングティーを行った。額から大粒の汗を流し、時折、太ももをたたき、ひざに手を当て荒くなった息を整えながら、1球1球の感触を確かめた。200スイングに達し、「もう力が入らない」と漏らしたが、ラスト6球は美しい放物線を描いて柵越え。「この時期に完璧を求めすぎるのはよくないけれど、納得いくまで。最後はバットも角度もしっかり出せた」。計224本を打ち込んだ。

 3日、チームの後輩の大谷が日本代表を外れるとの知らせが届いた。練習後の中田は、驚くと同時に、まなじりを決して言葉を紡いだ。「やるしかないよ。ここまで来たら、ごちゃごちゃ言っていられない。(大谷は)大きすぎる穴だけど、その分みんなで力を合わせてやるしかない。そういう気持ちが強くなる」

 中田にとって大谷は、年下ながらも「超一流」と認める存在だ。2日前、投手での出場断念を知った時も「(大谷)翔平は誰が見てもチームの、また侍の軸」と話した。一方で「誰かが抑える、誰かがホームラン打つという話じゃなく、逆にみんなが活躍しないと勝てないから」。世界と戦う厳しさを知る主砲が、太い柱となれば心強い。

(2017年2月4日読売新聞より)

中田選手

打撃練習で汗を流す中田=横山就平撮影

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