連載 侍出陣

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大谷離脱「一層頑張る」

(西井遼)

 普段は淡々と語る阪神・藤浪だが、WBCの話題には素直な思いを口にする。「特別な大会。ずっと出たくて、憧れていた」。日本代表として世界一を目指せることに、ただ、喜びを感じている。

 例年よりも調整を早め、沖縄・宜野座キャンプでは、初日からブルペン入り。WBC使用球を使って、直球だけでなく、カーブ、スライダーなどを交えて70球を投げた。オフに志願してダルビッシュ(レンジャーズ)と一緒にトレーニングを行った成果で体重が6キロ増えるなど、ひと回り大きくなった体つきにも充実ぶりが表れる。

 目を引いたのが、抜ける球が少なかったことだ。昨年末に先行発表された代表19人からは外れたが、メンバーに入れると信じて、自主トレでもキャッチボールからWBC使用球で練習してきた。入念に準備してきた結果、「(変化球も)制御できつつある」と言えるまでになった。

 中学2年だった2009年の第2回大会、決勝でイチロー(現マーリンズ)が決勝打を放ったシーンは強く印象に残っている。阪神に入団して1年目の13年には、チームの先輩の能見と鳥谷が日の丸を背負う姿をテレビで見た。その4年後の今大会、ついに、自分が代表のユニホームを着ることになった。「見る人に感動を与えたい」。熱い言葉が、自然とこぼれた。

 故障のため、同学年の大谷(日本ハム)が代表から外れることが決まった。「一緒に戦いたかった」と残念がったが、その分、大事な場面で登板機会が回ってくる可能性も出てきた。「自分の役割も変わるかもしれない。より一層頑張る」と誓う。

 昨季7勝に終わった右腕にとって、WBCは自信を取り戻すチャンスにもなるはずだ。大阪桐蔭高時代には甲子園で春夏連覇を果たすなど、注目されてこそ力を発揮してきた22歳。世界を相手にした、この上ない大舞台が待っている。

(2017年2月5日読売新聞より)

藤浪投手

憧れの舞台に向け準備に余念がない藤浪=横山就平撮影

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