2003.03.15
SARS、世界で流行

 2002年11月に中国広東省で確認された「謎の肺炎」が、世界各国で猛威を振るいました。重症急性呼吸器症候群(SARS)と名付けられた新型肺炎は、航空機の往来を通じて世界に広まり、世界保健機関(WHO)は03年3月15日、発症者が確認された場所が7か国にのぼったことから、航空会社などに注意を呼びかけるため、異例の「緊急旅行勧告」を発表しました。

 7月5日、WHOが最後まで残った「感染地域」の台湾を指定から外し、流行の終息を宣言するまで、30か国・地域で死者800人超、感染者8400人以上を出しました。日本では感染の疑い、可能性のある例が50件以上ありましたが、幸い、すべて感染が否定されました。

 SARSは、人命に加え、各国の観光や通商など、経済にも大きな打撃を与えました。日本国内では水際の検疫態勢の強化や、対応医療機関の拡充などが進みましたが、国境を越えて広がる感染症の脅威に、国際社会がどう協力して対応するかが、21世紀の大きな課題として浮き彫りになった出来事でした。