2010.05.02
欧州で金融危機

 ギリシャで2009年の政権交代後、前政権による財政赤字の過少計上が露見し、国債の格付けが引き下げられた影響で、欧州単一通貨ユーロへの信認が揺らぎました。10年5月2日、ギリシャは財政赤字削減を条件に、ユーロ圏と国際通貨基金(IMF)から協調融資を受けると発表しました。債務不履行に陥れば、ギリシャ国債を保有していた他の欧州連合(EU)加盟国に財政危機が波及し、ユーロ急落が不可避だったからです。

 それでも国際市場の不信感は消えず、支援策の発表後に起きたのは世界同時株安でした。EUは5月10日、財政危機に陥った加盟国を救済する総額7500億ユーロの「欧州金融安定化メカニズム」を新設、11月28日にアイルランドに初適用しますが、金融不安は尾を引き、翌年以降も、ポルトガル、スペイン、キプロスが支援を受けました。

 欧州財政危機は、支援能力のあるドイツの発言力を高め、財政難の国々の支援に乗り出した中国が欧州で存在感を増すなど、国際金融秩序の構図が変わるきっかけにもなりました。