2014.06.29
「イスラム国(IS)」が“国家”宣言

 イスラム教スンニ派の国際テロ組織アル・カーイダ系の過激派組織で、イラクやシリアの政治混迷を突いて勢力を拡大した「イラク・シリアのイスラム国(ISIS)」が、ウェブサイトでの声明で「イスラム国」(IS)の樹立を宣言しました。既存の国境を越えた、「カリフ(預言者ムハンマドの後継者)」を頂点とするイスラム国家を名乗ることで、勢力拡大を誇示し、求心力を高める狙いがあったと見られています。

 イラク戦争中の2004年頃にできた「イラクのアル・カーイダ(AQI)」の流れをくみ、13年4月にISISと名を変えてシリア内戦に本格参戦すると、ウェブサイトで「理想のイスラム共同体」を掲げた宣伝活動を行い、民主化運動「アラブの春」の挫折に失望した中東だけでなく、移民問題を抱える欧米諸国からも若者が組織に加わりました。敵対勢力を殺害する残虐な動画の発信など、国家の統制が届かないウェブ空間も駆使して国際秩序に挑むISへの対応は、アラブ諸国を含め、国際社会の重い課題となりました。