朝5時の訪問に新谷選手もびっくり…国内のドーピング検査「対面」で再開

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 新型コロナウイルスの影響で止まっていたドーピング検査がようやく再開した。海外ではキットの郵送によるリモート方式も試されたが、世界反ドーピング機関(WADA)の基準を満たさず、試行錯誤の中にある。国内では検査員の感染対策を徹底し、新様式の検査が始まった。

 7月下旬の朝5時、インターホンの音に、陸上女子長距離の新谷仁美(積水化学)は驚いた。画面越しにマスクとフェースシールド、手袋をつけた人が現れたことで、抜き打ち検査の時間帯を5~6時に指定していたことを思い出した。徹底した対策に「ウイルスから選手を守ろうという気持ちがすごく伝わってきた」。検査をSNSで発信すると「今やるべきことか」などの反応もあったが「私たちはクリーンなスポーツを見せなければいけない。対策して来てくださるのはありがたい」と新谷は感謝した。

 国内では、緊急事態宣言が出された4月以降、検査が完全にストップ。日本アンチ・ドーピング機構(JADA)でも対面以外の検査の可能性も議論したが、浅川伸専務理事は「選手に不安を与えない(対面)検査の準備を整えるほうが重要だと考えた」と振り返る。

 手袋やマスクの調達、検査員の研修をした上で、6月末、選手の自宅などでの抜き打ち検査から再開。今後は検査員へのPCR検査を増やしていく。再開しつつある競技会での検査では、スペースを従来より広くし、検体数を減らすなどで「3密」を避けている。

 そんな中、米国反ドーピング機関による「リモート検査」が話題となった。米紙ニューヨーク・タイムズによると、選手は郵送で検査キットを受け取る。ビデオ通話で部屋の様子を検査員に見せ、キットを送り返す仕組みで、人と人の接触を抑えられる。米国以外でも試されたが、WADAには「検査員は検体が選手の体から出てくるところを直接目視しなければならない」との厳格な基準があり、ビトルド・バンカ会長は読売新聞の取材に「利便性を高める試験的な取り組みは歓迎するが、基準を満たしていなければ試みにとどまるべきだ」との見解を示した。

 WADAによると、4月の世界の検査件数は前年同月比98%減の576件まで落ち込んだが、7月は1万664件まで回復。バンカ会長は「保健当局の助言に従いながら、各国反ドーピング機関の検査が可能な限り早く、安全な形で戻るよう努めている」と説明した。新しい形の検査の模索はこれからも続く。(横井美帆、ニューヨーク支局 福井浩介)

無断転載・複製を禁じます
1497243 0 その他 2020/09/24 05:00:00 2020/09/24 18:35:51 2020/09/24 18:35:51 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/09/20200923-OYT1I50083-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

アクセスランキング

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
発言小町
OTEKOMACHI
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
The Japan News
YOMIURI BRAND STUDIO
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
読売新聞社からのお知らせ