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[顔]マジックで「思い込み」から解放…新体操の日本代表メンタルコーチ 志村祥瑚さん 29

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撮影・米田育広
撮影・米田育広

 本業は精神科医で、プロのマジシャンの肩書も持つ。「人が悩むのも、マジックでだまされるのも原因は同じ。それは『思い込み』です」。患者はもちろん、伸び悩むアスリートも「思い込み」からの解放を手助けすることで快方に導く。

 日本体操協会の山崎浩子・新体操強化本部長(61)に依頼され、2017年から選抜代表チームの指導に携わる。3か月に1度ほどのペースで、午前中はひたすらマジックを披露し、「人はいかに思い込みに左右されるか」を認識させる。午後は演技の技術的な注意点を全て書き出させ、「フォーカスすべきなのはコントロールできない結果や成功ではない。(書き出したような)自らの行動だけ」と説いてきた。

 ミスや代表からの脱落を恐れていた選手が明らかに変わった。チームは19年世界選手権で44年ぶりとなる団体総合銀メダルに輝いた。

 かつては自身も「思い込み」にとらわれていた。大学医学部の1年目で留年し、「落ちこぼれた」と感じて自宅に引きこもった。どん底で、ジュニアの世界大会で優勝するほどの腕前だったマジックと精神医学との間に共通点を見いだし、暗闇から抜け出した。さらに、「マジックで、現実をネガティブに捉えている人を変えてあげられるんじゃないか」と一歩進んだ。

 マジックではご法度の「タネ明かし」も、人生の意味を前向きに考えられるなら治療や指導に生かした方がいい。その熱意に、タネも仕掛けもない。

 (運動部 増田剛士)

 しむら・しょうご 東京都出身。慶大医学部卒。新体操のほかにカヌー日本代表のメンタルコーチも務め、民間クリニックでの診療や企業経営者への指導なども手がける。一般社団法人「日本認知科学研究所」代表理事。

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1775042 1 その他 2021/01/17 05:00:00 2021/01/17 05:00:00 2021/01/17 05:00:00 「顔サンデー」用、精神科医でマジシャンの志村祥瑚さん(12月25日、東京都千代田区で)=米田育広撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/01/20210116-OYT8I50009-T.jpg?type=thumbnail

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