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ゴクミとアレジの愛息がSF初優勝 G・アレジが語るジャパニーズ・ドリーム

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初優勝にまつわる二つの縁

ベテランの中嶋一貴選手(トムス提供)
ベテランの中嶋一貴選手(トムス提供)

 アレジ選手が初優勝した車をシェアするのは、トムスのエース、中嶋選手だ。中嶋選手の父で日本人初のフルタイムF1ドライバー、悟さん(68)は、アレジ選手の父、ジャンさんがF1フル参戦1年目となった1990年、ティレルでチームメートだった。

 親子2代で同じチームで戦うことは強く意識している。「父と悟さんがティレルで一緒に走っていたことは、もちろん知っている。悟さんのこともリスペクトしているし、レースキャリアが豊富な一貴さんのこともリスペクトしている」

ジャン・アレジさんのヘルメットを手にするアレジ選手
ジャン・アレジさんのヘルメットを手にするアレジ選手

 また、アレジ選手は父と同じく、赤と黒のラインが入ったヘルメットを愛用している。オリジナルデザインは、ロータスなどで活躍したイタリア人F1ドライバー、エリオ・デ・アンジェリスのもの。ジャンさんはエリオを尊敬していた。だが、エリオは1986年5月14日、ブラバムのマシンでポールリカール(フランス)でのテストに参加。リアウイングが脱落してクラッシュし、翌日亡くなった。

 「エリオ・デ・アンジェリスのことを知っているの」と尋ねたところ、「もちろん知っているよ。父のアイドルだった。実は、僕が初勝利を挙げた週末はエリオの命日だったんだ。レース後に聞いたんだけれどね。きっと、彼も僕のことを守ってくれたんだと思うよ」と話してくれた。

 エリオの命日とアレジ選手の初勝利について、ネット上では「偶然かもしれないけど、運命を感じる」といった書き込みもあった。往年のF1ファンは「ジャン・アレジと同世代のドライバーの技術や魂まで受け継いでくれるのでは」と、思いをはせたのではないだろうか。

国内トップ・フォーミュラ2戦目での初優勝の価値は?

SF第3戦決勝でトップを走るアレジ選手(トムス提供)
SF第3戦決勝でトップを走るアレジ選手(トムス提供)

 アレジ選手が初優勝したオートポリスのレースでは、チームのピットがコースの入り口に最も近く、他のチームより先にコースに出られたことが有利に働いた面はあるだろう。決勝が、本来の半分以下の11周で終わったことも、先頭スタートのアレジ選手にとってラッキーだったと言える。

 だが、日本国内のコースに不慣れな海外育ちのルーキーが、2戦目で初優勝を達成したという事実は「快挙」であることに違いない。ピエール・ガスリー選手(フランス、2017年)や、ストフェル・バンドーン選手(ベルギー、2016年)のように、GP2(現F2)王者を経てSFに参戦した彼らをもってしても、初優勝までに4戦以上を要した。

 海外から日本にやって来たルーキーによる参戦2戦目での初優勝は、ロイック・デュバル(フランス、2006年。当時はフォーミュラ・ニッポンとして開催)以来で、その前だと1996年にフォーミュラ・ニッポン初代王者となったラルフ・シューマッハ(ドイツ)までさかのぼることになる。ガスリーとバンドーン、シューマッハは、後にF1に昇格。ロイックもル・マン24時間耐久レースで優勝するなど、いずれも名ドライバーとして活躍している。アレジ選手の将来にも、期待を持たずにはいられない。

普段は21歳の若者。愛車はランクル、好物は「焼き肉、とんかつ、天ぷら」

日本での生活について話すアレジ選手
日本での生活について話すアレジ選手

 もっと素顔に迫ってみた。この春からチームの拠点がある静岡県御殿場市で暮らしているアレジ選手。両親からは「日本での生活は全てが新しいから、パニックにならずに、ゆっくり慣れて」とアドバイスされたという。

 チームの整備工場とトレーニングジムに通うのが日課で、元トムスのドライバーで日本人初のル・マン24時間耐久レース優勝で知られる関谷正徳さん(71)らと食事に出かけることもあるそうだ。

 食生活について聞くと「日本食は何でも大丈夫。好物は焼き肉にとんかつ、天ぷら。レース前には焼き肉をよく食べる」と話す。ただ、唯一苦手なのがみそカツ。「しょっぱすぎる」からだという。

 趣味はバイクなどエンジン付きの乗り物。「日本ではトレーニングに忙しくて趣味と言えるものがない」が、車の運転は「自分の仕事にするぐらいだから大好き」。愛車はトヨタ・ランドクルーザーで、「車体が大きくても運転しやすい。荷物もたくさん載るし、本当にいい車」と、とても気に入っている。

 最後に、今後の目標について聞いてみた。「今年はSFLやスーパーGTだけでなく、SFや、富士スピードウェイであった24時間スーパー耐久レースなどに参加し、将来に向けた経験をたくさん積んでいる。日本でのレースキャリアは僕の人生。どうすれば自分がもっと成長できるかを考え、今、自分にできることに集中したい」と力を込めた。

 記者の質問にほとんど日本語で応えてくれたアレジ選手。両親から受け継いだ端正な顔立ちと誠実な受け答えに、私自身がファンになってしまった。近いうちに日本でも有名になるであろう21歳の若者の挑戦を、これからも応援したい。

ジュリアーノ・アレジ選手の国内での戦績

SF  第2戦 鈴鹿     予選8位/決勝9位
    第3戦 オートポリス 予選1位/決勝優勝
SFL 第1戦 3位  第2戦 6位  第3戦 3位
    第4戦 2位  第5戦 3位  第6戦 2位
    第7戦 2位  第8戦 2位

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