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高校総体24日に開幕、後輩たちへのエール「逆境をバネに」

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 福井、新潟、富山、石川、長野の北信越5県を中心に開催される全国高校総体(インターハイ=読売新聞社共催)が24日、開幕する。昨年は新型コロナウイルス感染拡大で史上初の中止となり、開催は2年ぶり。飛び込みで北京、ロンドンと2度の五輪に出場した中川真依さん(34)、北京五輪陸上男子400メートルリレー銀メダリストの高平慎士さん(36)に困難な状況下で大舞台に挑む選手たちにエールを送ってもらう。

「頑張れば、それが道しるべに」…飛び込み・中川真依さん 34

高校時代を振り返り、「つらくても頑張れれば、それが道しるべになる」と語る中川真依さん=木田諒一朗撮影
高校時代を振り返り、「つらくても頑張れれば、それが道しるべになる」と語る中川真依さん=木田諒一朗撮影

 実は私、高校に入るまで、ずっと飛び込みを「早くやめたい」と思っていました。小学生で始めてから毎日厳しい練習が続き、やめたいと言おうとしても大会で結果が出ちゃうから言い出せない。ずっと悩んでました。

 一転したのが高校生になってから。飛び込む高さがぐんと上がって、10メートルに。初めてその高さから飛び込んだ時、今までにないくらい思ったように体が動かせたんです。高さと水面までの滞空時間が私のリズムに合っていたのでしょう。高校総体や国体で1年生から優勝でき、飛び込みが自分に向いているんだと自信がつきました。

 そこから、来年も優勝したい、日本選手権でも勝ちたい、そしてオリンピックに出たいと、目標を達成するごとに次々と目標が生まれ、五輪には2度出場できました。もし中学でやめていたら、今の私はありません。高校総体は、私の道が開けた最初の大会です。

 スポーツをしている人も、していない人も、学校生活でつらいと思うことがあるかもしれません。そのなかで、ひとつ頑張っていることがあれば、それが道しるべになります。悔しさやつらさがあっても続けていれば、道が開けます。

 昨年の高校総体がなくなり、悔しい思いをした人も多いと思います。仕方ないではなく、その経験を次につなげるんだと考えてください。周囲の大人も、慰めるだけじゃなく、思いを受け止めてあげてください。

 もう一つ、伝えたいことがあります。元テニス選手の杉山愛さんらと女性アスリートの心身の健康を守るための団体を作り、活動を始めています。中高生では、特に女子は体が大きく変化します。スポーツをきっかけにして、生理など、自分の体の変化を学んでほしいと思っています。

 北京五輪で、私はひどい生理痛に襲われ、慌てて痛み止めを飲みましたが、指先や足先の感覚が変わってしまい、満足のいく演技が出来ませんでした。次のロンドン五輪の前には、生理痛が怖くて、ドクターに特に相談もせずに低用量ピルを飲みました。ホルモンバランスが変わったからか突然体重が増え、けがをしてしまいました。五輪までに体重は戻しましたが、体のキレは戻りませんでした。

 若いときにもっと自分の体のことを学んでおけば、と今でも思います。まだまだ指導者の理解も広まっていない問題です。ぜひ、自ら学ぶようにしてください。(聞き手 小高広樹)

  なかがわ・まい  1987年生まれ。石川県小松市出身。小松市立高1年から高飛び込みで高校総体3連覇。北京、ロンドンと2大会連続で五輪に出場した。2016年に現役を引退。現在は、日本水泳連盟の公認審判員の資格を取得し、飛び込みの審判員として五輪に参加することを目指している。

「感謝の気持ち忘れずに」…陸上・高平慎士さん36(富士通)

懸命に部活に取り組んだという高平慎士さん(c)FUJITSU SPORTS
懸命に部活に取り組んだという高平慎士さん(c)FUJITSU SPORTS

 あれほど純粋に打ち込めたのは、高校時代をおいて他になかったかもしれません。日本一を目指し、どう自分を高めるか。インターハイの解説もさせていただきますが、改めて素晴らしい大会だなと感じます。

 雪国のハンデは感じていましたが、どんなに走り込んでも(100メートル)10秒0台が出るわけじゃない。それなら効率良くやるべきだと考えていました。限られた環境で創意工夫する能力は上がったと思います。強制で「100」やらされるより、自分で取り組む「10」の練習の方が絶対プラスになります。

 高校2年の冬、顧問の先生とぶつかりました。選手主体で練習を考えていた意識があり、先生がメニューを作ってくださったことに、つい反発。全員で作文を書き、僕は「このままなら部活をやめます」と。

 今思うと、僕の一方的なわがまま。それでも、話し合った末に先生から「サポートするから自分でやってみなさい」と背中を押してもらえ、責任を持って競技に向き合おうと覚悟を決めました。先生の懐の深さには感謝していますし、先生の人脈で様々な方に支えていただきました。「出会いを大切にしなさい」という言葉は心に刻まれています。

 昨年、インターハイが中止になったのは、コロナ禍でやむを得ない事情はあったにせよ、僕を含め、大人がサポートしきれなかった部分もあったと感じています。誰も経験したことがない以上、彼らに寄り添うなんて言えませんが、あの経験を大人になっても忘れてほしくありません。

 その姿を見てきた今の2年生、3年生は昨年の先輩たちの思いと一緒に戦ってほしい。今も難しい状況に変わりないですが、逆境をどう乗り越えるかはスポーツで学べることの一つ。競技レベルに差はあっても、誰もが等しくできるところではないでしょうか。

 高校総体は各地の予選から始まり、全国大会の決勝で完結します。途中で敗れていく大勢の選手の思いがあってこその大会です。時代を 謳歌おうか する選手もいれば、悔いを残す選手もいる。自分に勝った選手が(高校や都道府県の)代表として全国の決勝に立つかもしれません。

 大切なのは全ての高校生が参加するということ。一生懸命取り組めば、かけがえのない時間、空間になると信じています。(聞き手 平野和彦)

  たかひら・しんじ  1984年生まれ。北海道旭川市出身。旭川大高3年時に全国高校総体男子200メートルで優勝した。順大へ進学し、2004年アテネ五輪から200メートル、400メートルリレーに3大会連続で出場。08年北京五輪では、第3走者として400メートルリレー銀メダル獲得に貢献した。17年に現役を引退し、現在は解説者などを務める。

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2208994 0 高校総体 2021/07/14 08:00:00 2021/07/15 14:04:05 2021/07/15 14:04:05 高校総体についてインタビューを受ける水泳女子高飛び込みで高校総体2連覇、五輪2度出場の中川真依さん(24日午後0時12分、東京都千代田区で)=木田諒一朗撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210715-OYT1I50100-T.jpg?type=thumbnail

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