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[全国高校総体]24日開幕 九州豪雨被災 故郷に元気…組手・釜選手 高松で磨いた技 見せる

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「被災した故郷に明るい話題を届けたい」と練習に励む釜選手(高松市で)
「被災した故郷に明るい話題を届けたい」と練習に励む釜選手(高松市で)

 全国高校総体(インターハイ=読売新聞社共催)は24日に開幕し、北信越5県を中心に8月24日まで1か月間、30競技が行われる。新型コロナウイルスの影響で開催は2年ぶり。空手女子組手の個人・団体に出場する香川県の高松中央高3年・ かま つばさ選手(17)は、昨年7月の九州豪雨で熊本県芦北町の実家が被災した。「優勝して故郷の人たちを元気づけたい」と意気込む。

 (高松総局 藤岡一樹)

 「イヤーッ」。豪快な回し蹴りや鋭い突きとともに、釜選手の大きなかけ声が高校の武道場に響いた。

 5人姉妹の末っ子。4歳から道着に袖を通し、父・辰信さん(57)が運営する道場で「攻めの空手」をたたき込まれた。中学時代に全国大会で優勝。名門・高松中央高に進み、寮で生活しながら技を磨いた。

 空手漬けの日々を送っていた昨年7月3日夜、実家が豪雨で被災し、道場も浸水した。何度自宅に電話してもつながらず、家族の無事を知ったのは翌日夜だった。芦北町職員の辰信さんは役場に泊まり込み、避難所の設営などに追われた。

 「私だけが空手をしていていいんやろか」。帰郷しようかと悩み、辰信さんに打ち明けると、電話口から 叱咤しった の言葉が返ってきた。「空手をやるために香川に行ったんやろ。今集中しないのは、応援してくれる人に失礼だ」。高松にとどまり、苦手だったカウンター技を強化した。

 昨冬、日本武道館(東京)で開かれた全日本選手権。応援に駆けつけた家族と再会を喜び、社会人も出場する大会で3位に輝いた。試合はテレビ中継され、芦北町の人たちが「勇気をもらった」と喜んでいたことを、後から聞いた。

 今春の全国高校選抜大会ではカウンター技を駆使して勝ち上がり、個人・団体ともに優勝。万全の状態で高校総体を迎える。「結果を出して、今まで支えてくれた人に恩返しすることが、今の私にできること」。故郷への思いが、気持ちをさらに奮い立たせる。

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2226113 1 高校総体 2021/07/22 05:00:00 2021/07/22 05:00:00 2021/07/22 05:00:00 「故郷を元気づけたい」との思いで練習に励む釜選手(右)(高松市で)=藤岡一樹撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210722-OYT1I50007-T.jpg?type=thumbnail

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