インターハイ自転車で金「全部獲ってやる」…最強女王、選抜の銀メダルを手に奮起
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【自転車競技】垣田真穂さん(17) 愛媛・松山学院高3年
3年前から本格的に自転車競技に取り組み、高校の全国大会で計12度の優勝を飾り、日本自転車競技連盟の強化指定も受ける。今春の全国高校選抜大会で「銀」となった1種目以外は、オール「金」の快走を続ける高校最強女王だ。
サッカーで鍛えた脚力で頭角
北九州市出身。兄の影響で始めたサッカーに、小学3年から打ち込んだ。一方、アスリート育成を目指す福岡県の「タレント発掘事業」に参加し、中学2年で自転車に出会う。チームプレーと異なり、己との孤独な戦いは「想像の何倍もきつい」が、サッカーで鍛えた脚力は自転車にもいかされ、たちまち力をつけた。

「世界の舞台で戦う」という夢を胸に、自転車に打ち込むことを決め、地元を離れて、強豪・松山学院に入学。才能が一気に開花し、1年の3月、全国高校選抜大会ではロードレースなど出場3種目で優勝。2年の8月、インターハイでも3種目に出場して3冠と、敵なしの走り。特に、2000メートル個人追い抜きは、ジュニア日本記録を自身で次々と塗り替えた。一方で、「勝って当然」という周囲の期待が大きな重圧になった。
「負けたくない」焦りで逃した1位
今年3月の全国高校選抜大会、連覇のかかる2000メートル個人追い抜き。いつもは徐々にギアを上げるが、「絶対に負けたくない」という焦りもあって、スタート直後から突っ込んだ。歯車がかみ合わず、ライバルに敗れて、全国大会で初めて1位を逃した。

強烈な悔しさがこみあげた、挫折の「銀」。だが、ここがさらなる進化のターニングポイントになった。
必死にこなすだけだった練習を見直し、こぎ方の工夫や駆け引きを試すように。勝利を求めるあまりむきになり、忘れていた走る楽しさがよみがえった。「この走りで、世界でどこまで戦えるだろう」。視界がくっきりと開けた。
銀メダルはベッドのそばに
唯一の銀メダルは、今も寮のベッドのそばに置いている。週に6日は過酷な練習に励み、オフの日は遊ぶ余裕がないほどクタクタになる。へこたれかけた時には、このメダルを手に取って自らを奮い立たせる。
2028年ロサンゼルス五輪への出場と、メダル獲得が目標だ。高校最後の全国大会となる今回のインターハイでは、優勝は前提で、納得の「金」を狙う。2000メートル個人追い抜きで、自身の持つ2分26秒828の日本記録を「誰にも追いつけないくらい速く塗り替えたい」。
出場する競技は「全部
自転車競技
今年のインターハイでは8月4~7日、高松市の高松競輪場などで開催される。すり鉢状の競技場内を走るトラックは、タイムトライアルや追い抜きなどの種目がある。公道を走るロードを最終日に行う。