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独自の試合 地方模索…感染予防 難しい準備

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監督(右)から大会中止の知らせを聞く神戸国際大付野球部の選手たち=川崎公太撮影
監督(右)から大会中止の知らせを聞く神戸国際大付野球部の選手たち=川崎公太撮影

 甲子園大会の中止を受け、各都道府県の高野連は3年生を救済するため、独自の大会開催を模索している。日本高野連は実施の判断を各高野連に委ねる考えを示したが、感染予防策や日程など課題は多く、指導者からは「選手の士気が高まらない」との声も上がる。

 東京都高野連は7月11日から東西の東京大会を行う予定で準備しており、消毒液やマスクなどの発注を終えたという。選手には球場入りの際に検温を求め、試合中の円陣を禁止。試合ごとにベンチやロッカールームの消毒も徹底する。無観客で開催する場合は入場料収入がないため、積み立てた基金を取り崩す。

 武井克時理事長は「6月20日までに練習が再開されないと難しいが、締めくくりとして、試合をやらせてあげたい」と話す。

 大会の開催を検討している高野連は選手の感染を不安視する。これまで感染者が確認されていない岩手県の高野連は無観客開催で準備しているが、「リスクがゼロになるわけではない」と懸念する。徳島県高野連は「大会を開くには万全な感染対策が前提となる」という。

 指導者の一人は「最後の夏に地方大会だけでもさせてあげたい」という配慮に理解を示しつつ、「甲子園への夢がつながらない大会だ」と指摘する。各都道府県高野連は難しい判断を迫られそうだ。

ドラフト・進学にも影響

 全国高校総体に続いて全国高校野球選手権が中止となったことで、プロチームや大学のスポーツ推薦入試などを目指す3年生の進路に大きな影響を及ぼしそうだ。

 夏の甲子園では、プロ野球のスカウトらがドラフト候補に熱い視線を注いできた。冬からの成長を確認する機会がなくなり、ある球団のスカウトは「練習中心の視察に切り替える」と話す。

 日大三(東京)のグラウンドでは、練習が休止中とあって今年は視察に訪れる大学の監督らの姿はない。小倉全由まさよし監督は「評価を聞きたいところだが、それができない」と話す。

 全国体育系大学学長・学部長会会長の高見令英よしひで・国際武道大学長は「1、2年の記録だけで判断するのは難しく、実技試験を充実して多角的な視点で潜在能力も見ていきたい」と話している。

昨年の大会収入6億円 夏の甲子園大会の入場料収入は、2018年の第100回大会から無料だった外野席が有料化(大人500円、4歳から小学6年生100円)され、他の席の値上げと合わせ、大きくアップした。

 日本高校野球連盟などによると、昨年大会の総入場者数は約84万人で、うち有料入場者数は約72万人。バックネット裏の中央特別指定席、一、三塁特別自由席、アルプス席、外野席で計約6億5900万円の収入があった。一方、支出は甲子園の大会費や地方大会費など計約4億4400万円で、約2億1500万円の余剰金が出た。

 このうち1億円は、競技人口の拡大などを図るために18年から始まった「高校野球200年構想」の推進基金に充てられた。このほか、余剰金は全国高校軟式野球選手権大会や日本学生野球協会などに助成されている。

球児「ものすごく悔しい」

 今春の選抜大会に出場を決めていた明豊(大分)の若杉晟汰せいた主将「夏に向けて全員で頑張ってきただけに、ものすごく悔しい。自分たちにはどうすることもできないので素直に受け止めるしかない」

 明徳義塾(高知)・馬淵史郎監督「こういう苦しいときほど人間は試される。この経験がきっと役立つときがある。優勝しない限りいつか負けるが、その区切りがない分つらい気持ちはよくわかる。終着駅じゃない、ここからが出発点だ」

 履正社(大阪)・岡田龍生監督「夏2連覇は履正社だけの話。生徒の安全を無視してまでやることが、彼らのプラスかと考えると、この結果は致し方ない」

 明石商(兵庫)・狭間善徳監督「野球が好きな子どもにとって甲子園は一度は立ってみたい夢の舞台であり、支えてくれた人たちへの恩返しの舞台。3年生の気持ちを考えると残念。次のステージに向かって取り組んでほしい」

 ◆全国高校軟式野球も中止

 日本高校野球連盟は20日、兵庫県明石市などで8月26日から開催予定だった第65回全国高校軟式野球選手権大会を中止すると発表した。大会が始まった1956年以降、中止は初めて。

もっと強くなれる/頑張った日々消えない…プロ選手がエール

 全国高校選手権大会の中止を受け、かつて甲子園を沸かせ、プロ野球で活躍する選手らが球児の気持ちを受け止めつつ、今後の人生に向けて温かいエールを送った。

 昨年の大会で、大阪・履正社の4番として全国制覇を経験した阪神の井上広大こうたは「この悔しさを持っているからこそ、もっと強く大きな選手になれると思う」とし、昨年準優勝のヤクルト・奥川恭伸(石川・星稜)も「開催してほしかったというのが率直な気持ちだが、今までの努力は無駄にならない」とコメントした。

 ロッテの井口監督(東京・国学院久我山)は「人生はチャレンジの連続。みんなで一つの目標に向かって頑張った日々は消えない。これからも同じように目標に向かい進み続けてほしい」と語った。

 一方、甲子園出場経験がない西武の主砲・山川(沖縄・中部商)は「球児の皆さんは『甲子園を目指すために必要な努力』を達成していると思う。自信を持って生かしてほしい」と励ました。ソフトバンクの内川(大分・大分工)は「親でも監督、コーチでも構わない。選手の本音を聞いてあげてほしい。しっかり吐き出せる人がいると、救われると思う」と訴えた。

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1231547 0 2020/05/21 05:00:00 2021/01/25 15:48:40 青木尚龍監督(右)から夏の甲子園大会の中止の知らせを聞く、神戸国際大付野球部の部員たち(20日午後3時19分、神戸市垂水区で)=川崎公太撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/05/20200520-OYT1I50062-T.jpg?type=thumbnail

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