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6日に開幕を迎えた第104回全国高校野球選手権大会は投打に力のある好選手がそろった。地方大会を勝ち抜き、甲子園の「主役」となりそうな選手を紹介する。
投手


最速149キロ右腕の山田(近江)は気持ちを前面に押し出すスタイルで「(準優勝した)選抜の時よりも、真っすぐの球威が上がった」と自信をうかがわせる。新型コロナウイルスの集団感染で選抜を出場辞退した京都国際の左腕・森下は左肘の炎症の影響が心配されたが、京都大会決勝で6回1失点と元気な姿を見せた。
春夏連覇に挑む大阪桐蔭の2年生左腕・前田は直球、変化球ともに完成度が高く安定感十分。背番号1を背負う川原は長身からの角度ある直球を投げ込む。
田中(日本文理)は新潟大会で150キロをマークした本格派右腕。多彩な変化球を駆使するマーガード(星稜)、選抜で大阪桐蔭を苦しめた冨田(鳴門)も注目される。
打者


高松商の浅野は高校通算64本を放つ両打ちで、香川大会で3本塁打を記録した。俊足強肩も魅力だ。「印象に残るプレーをしたい」と語る。ヤクルトの主砲・村上宗隆を兄に持つ村上慶太(九州学院)は、1メートル90の恵まれた体格で兄ゆずりの打撃を見せる。熊本大会では苦しんだが、決勝で先制打を放ち存在感を見せた。
強肩強打で大阪桐蔭を引っ張る捕手の松尾は大阪大会で3本塁打を放ち、「優勝できるよう、しっかり準備したい」と春夏連覇を見据える。丸山、海老根も長打力では劣らない。
投手としても期待される石川(明秀日立)は、身体能力の高さを生かした打撃を見せる。類いまれなパワーで本塁打数を積み重ねる2年生の佐倉(九州国際大付)の存在も楽しみだ。

◆投球禁止の投手はなし
日本高校野球連盟などは5日、第104回全国高校野球選手権大会の出場校の投手176人を対象に行った肩や肘の関節機能検査の結果、大会規定に触れる選手はいなかったと発表した。
球数制限検証 24年度末まで
日本高校野球連盟は5日、投手の障害予防を目的に2020年から導入された「1週間で500球」の投球数制限について、今年度末までとしていた検証期間を24年度末まで延長すると発表した。
同連盟は、専門家らでつくるワーキンググループで議論を重ねてきたが、「新型コロナウイルスの感染拡大に伴う大会中止や延期など様々な制約があり、十分なデータ収集ができなかった」としている。
また、今後2年間の選抜大会と選手権大会で、登板した投手を対象に毎試合、肩と肘の検診を実施する。各都道府県の高校野球連盟が主催する大会でも取り組みを進めるという。