甲子園での熱中症対策、小型扇風機や冷感スプレー販売
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厳しい暑さが続く中、甲子園球場(兵庫県西宮市)で開催中の全国高校野球選手権大会では、応援の生徒や選手を熱中症から守る取り組みが進んでいる。売店には今夏、小型扇風機や冷感スプレーが登場。各校も応援団に噴霧器で水を吹きかけたり、ベンチには氷水を用意したりしている。
「スタンドには屋根がなく、日差しで顔が熱い。扇風機がほしかった」。8日、売店で新商品「甲子園モバイルファン」(税込み2300円)を購入した京都市の高校1年の女子生徒(15)は笑顔で話した。
二つ折りの財布ほどの大きさの箱形の扇風機で、ひもで首から下げると、上部から出る風が顔に当たる。両手があくので、楽器演奏や応援に専念できるのがポイントだ。衣服にかけると涼しさを感じる「冷涼ミストスプレー」(税込み700円)とともに売れ行きは順調。砕いた氷を袋に詰めた甲子園名物「かちわり氷」も売れているという。
大会本部も対策に力を入れている。球場は今大会前、約7000万円かけ、アルプス席と外野席の場内通路にエアコン28台を増設して計44台に。アルプス席の床面には遮熱塗装を施した。噴霧器も昨夏に続いて貸し出し、教員らがスタンドを歩き回って応援団に霧をかける。生徒からは「雨みたいで涼しい」と好評だ。
選手用に塩分補給用のタブレットを用意するチームや、冷たいタオルで体を拭くため、氷水入りのバケツをベンチに置くチームもある。
大会本部によると、大会第1日の6日から10日までに、熱中症・日射病の疑いで118人が救護室を利用した。当面、最高気温30度超の日が続く見込みで、日本気象協会の担当者は「選手はエアコンや水分補給で体調管理することが大事。観客もこまめな水分、塩分補給を心がけてほしい」と話している。