[あきらめない夏]<中>「文武」葛藤 4人の決断

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最後の夏の大会に決意を示す土佐の3年生4人(6月13日)
最後の夏の大会に決意を示す土佐の3年生4人(6月13日)

 高知市郊外の丘陵地にある土佐(高知)のグラウンド。7月18日に開幕する県の独自大会に向け、内野手で主将の滝田海生かいせいら3年生4人が汗を流す。

 今夏の甲子園を目指していた3年生は18人いた。しかし、5月20日に中止が決まり、6月初めまでにエースや主力打者を含む14人が退部を申し出た。「モチベーションを保てない」「受験準備に専念したい」などが理由だった。

 新型コロナウイルスの影響で5月の連休明けまで休校となり、「勉強が遅れ、不安になったようだ。彼らを責められない」と西内一人監督は思いやる。滝田は「自分が決めたことは貫く」と野球部に残った。

 大阪府吹田市出身。4年前の春、甲子園で大阪桐蔭と対戦した土佐の純白のユニホームと全力疾走が印象に残り、縁もなかった高知にやって来た。進学校だけに、全体練習の後は寮で全員が補習授業を受ける。「憧れのチームだから楽しかった」という。

 5月下旬、3年生で集まったとき、滝田は辞めるという仲間を強く引き留めることはできなかった。「最後まで全員でやりたかったけれど、それぞれの選択なので仕方ない」。授業中に勉強の話はしても、野球の話題にはふれない。6月7日には3年生の送別試合をして、「互いに頑張ろう」と笑顔で送り出した。

 独自大会には1、2年生を交えて臨むしかないが、「伝統の全力疾走で締めくくる」と決意する。将来は高校野球の指導者になり、甲子園を目指すという。「今年、甲子園がなくなった分、思いは強くなった」。悔しさをかみしめ、次の夢に向かう。

     ◇

 済々黌せいせいこう(熊本)の3年生12人は、部活動休止中の5月21日、制服姿でグラウンドに集まった。夏の甲子園は中止となったが、全員が最後まで部活を続けることを決めた。第120代主将の甲斐敬太郎(3年)は「後輩に直接伝統を伝えたい」と思いを明かす。

 1882年に創立した進学校。甲子園に春夏11度出場し、1958年の選抜では九州勢初優勝を飾った。勉強と両立するため、練習は3時間を切る日もある。この時期、最後の夏に懸ける先輩の姿勢やプレーを見て、「学ぶことが多かった」と甲斐は言う。

 キャッチボールでは、入部間もない1年生の相手を3年生が務める。「甲子園がなくなっても、切磋琢磨せっさたくまする姿を見せたい」。一球一球に思いを込める。

(古谷禎一、古藤篤)

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1284342 0 高校野球 2020/06/18 05:00:00 2020/07/20 13:30:48 最後の夏の大会に決意を示す土佐の3年生4人(6月13日) https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/06/20200617-OYT1I50075-T.jpg?type=thumbnail

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