[あきらめない夏]<下>選手ケア 指導者動く

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長尾監督(左)の指示を聞く高松商の選手たち
長尾監督(左)の指示を聞く高松商の選手たち
「高校野球を完結させよう」と呼びかける仙台育英の須江監督
「高校野球を完結させよう」と呼びかける仙台育英の須江監督

 ハイタッチより笑顔でコミュニケーション。道具の貸し借りは原則禁止――。6月初め、全体練習を再開した高松商(香川)グラウンドのベンチに「野球部の新たな日常」と題した12項目が掲げられていた。

 「新しい生活様式が求められている。野球も変わらないといけない」という長尾健司監督の発案だった。部員らは部室へ出入りする際に消毒液を使い、窓を開けて換気する。水筒を持参してコップの回し飲みはやめた。

 春から部活動が禁止され、夏の甲子園も中止となった。「戦わずして終わる夏」は、長尾監督にも初めての経験となった。「3年生の気持ちにどう区切りをつけさせたらいいのか。かける言葉もなかった」

 ただ一人、主将の長尾和真(3年)には「3年生の野球は続く。主将が下を向くな」と伝えていた。主将がLINEで全部員に送ったメッセージには「感謝の気持ちを伝えられるような夏にしよう!」とあった。

 それでも、選手の気持ちが吹っ切れたとは思っていない。「自分が『甲子園、甲子園』と言ってきたから」と責任も感じる。「野球は本来、楽しいスポーツ。原点に返ろう」と思った。

 感染の不安は消えないが、練習では選手に笑顔も見られるようになった。この夏は自主性に任せ、できる限り褒めるようにしている。「野球の魅力を味わってほしい」と願う。

        ◇

 仙台育英(宮城)の須江わたる監督は3月下旬、まず選手のプロモーションビデオ作りに取り組んだ。新型コロナウイルス終息の見通しが立たず、「首都圏などの野球関係者に見てもらう機会がゼロになってしまう」との危機感があったからだ。

 3年生40人のうち、野球でプロや大学を目指す約30人のプレーを集め、2~5分に編集。作業は10日に及んだが、大学の指導者らに送ることで、進路への不安を取り除いた。主将の田中祥都しょうと(3年)は「この学校に入って本当に良かった」と感謝する。

 練習ができない期間はオンライン会議で「高校野球を完結させよう。どう終わるかじゃなくて、そこまでの過程が大事なんだ」と選手に呼びかけた。ツイッターへの投稿も始め、「子供たちのストレスは、大人の想像をはるかに超える」などと、対策の必要性を訴える。

 「大人が、子供たちのために諦めなかったという姿勢を見せなくちゃいけない」。困難を打開するアイデアと発信力。アフターコロナ時代の新しい指導者像を体現しているのかもしれない。

 (古谷禎一、小石川弘幸)

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1286455 0 高校野球 2020/06/19 05:00:00 2020/07/20 13:30:48 長尾監督(左)の指示を聞く高松商の選手たち(6月6日) https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/06/20200618-OYT1I50086-T.jpg?type=thumbnail

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