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映画「フィールド・オブ・ドリームス」の舞台となった米中西部アイオワ州ダイアーズビルで12日、大リーグのホワイトソックス―ヤンキース戦が行われた。この日のために、ロケ地に隣り合うトウモロコシ畑の中に仮設の球場が造られた。ファンは夢の舞台で実現した一夜限りの試合を心ゆくまで楽しんだ。(ダイアーズビル 平山一有)

1989年公開の映画では、主人公がトウモロコシ畑で不思議な声を聞く。「それをつくれば、彼はやってくる」。畑を切り開いて造った野球場には、この世にいないはずの伝説の選手たちが現れた――。

名シーンを再現するように、右翼後方のトウモロコシの間から、主演のケビン・コスナーさんが姿を現し、両チームの選手が続いて登場した。8000席が埋まった球場は、159エーカー(約64万平方メートル)のトウモロコシ畑に囲まれ、スタンドからは撮影が行われた主人公の白い家や野球場が目と鼻の先に見える。一回、本拠地シカゴが近いホワイトソックスのアブレイユが左翼の畑にソロ本塁打を放り込むと、大歓声が起こった。
メジャー球団が本拠を置かないアイオワ州で行われた初の公式戦。新型コロナウイルスの影響で昨年から延期されていた。夫婦で訪れたピーター・ヒーリーさん(55)は「地元の人たちは、この日が待ちきれなかった」と興奮した様子。コスナーさんは試合前の記者会見で、「新たな伝統がここから始まる」と、来年以降の開催にも期待を寄せた。