「ドコカニイッテ」「ハヲミガク!」大谷翔平の大リーグ実況で謎の日本語絶叫、最近増えた2つの理由

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 大リーグは近年、国際化を進めている。2016年から全チームにスペイン語の通訳を常駐させることにした。ドミニカ共和国、ベネズエラ、キューバなどスペイン語圏出身の選手は多い。そのため、彼らがプレーしやすいように、と行われている施策だ。大谷が2021年にオールスターゲームに出場した時にも、コミッショナーが大谷を「MLBの国際化に大きく貢献している」とたたえた。鈴村准教授は「大リーグが進める国際化の流れの中で、選手の出生地に合わせた実況が増えているのでは」と分析する。

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 鈴村准教授によると、スペイン語圏の選手が活躍すると「オラ!」、韓国人選手が登場すれば「アンニョンハセヨ」「カムサハムニダ」など、選手の母国語が実況で使われることもあるという。

 かつて、イチローさんや松井秀喜さんが大リーグで活躍していた時には「コンニチハ」「サヨナラ」という日本語が使われることもあったが、鈴村准教授は「大谷選手が活躍するようになってから、明らかに日本語を入れ込んだ実況は増えた」と話す。大リーグがより広い人種に野球の魅力を伝えたいという理念と「謎日本語」実況はマッチしているのだ。

オンライン取材に応じる鈴村准教授
オンライン取材に応じる鈴村准教授

 「謎日本語」が生まれるのには、もう一つ理由があるという。それは、日本と違うアメリカのアナウンサーのあり方だ。大リーグの現地実況は球団ごとの担当アナウンサーが担うのが基本だ。そのため、中継では「ホームびいき」になることが視聴者にも許されている。長年、一球団の専属アナウンサーを務めることもあり、ドジャースの専属アナウンサーだったビン・スカリーさんは67年にもわたって実況を務めた。そんな「ホームびいき」の事情から相手チームをはやしたてるような言葉が実況で使われ、それを直訳すると「謎日本語」が生まれるというわけだ。

 鈴村准教授は「大谷選手の活躍によって使われる日本語の実況は、どれも『あなたのルーツにも注目している』というリスペクトを感じる。日本人だから、ではなく大リーグのスターであることの証明です」と話した。

 せっかくなので、鈴村准教授に大リーグ中継で覚えておくと少し楽しくなるキーワードについて聞いてみた。

<1>「Nasty!」(ナスティー!)「Unfair Ball!」

 直訳すると「汚い!」「不公平だ!」の意味。投手が素晴らしい球を投じたときに使われる。「こんな球打てるわけない!汚い!」というニュアンスで使われる。

<2>「Tape Measure Shot!」(テープ・メジャー・ショット!)

 大きなホームランの時に、「メジャーで測らないと!」という意味で使われる。日本では「測れないこと」が大飛球を表すが、いかにも「記録好き」な大リーグの一面が垣間見える。

<3>「stand-up double」(スタンドアップ・ダブル)

 スライディングでユニホームを汚さず、余裕をもって放った2塁打のこと。「大リーグの実況では頻出の表現だ」と語る。

 ちなみに、鈴村准教授イチオシの決まり文句は称賛をするときに思わず口に出る「Say Yeah!」だ。「鈴木誠也選手の『セイヤ』と発音が似ています。日本人の間でもブームになるかもしれませんね」と予想している。

プロフィル

鈴村裕輔(すずむら・ゆうすけ)

 名城大学外国語学部准教授。専門は比較文化。主著に「メジャーリーガーが使いきれないほどの給料をもらえるのはなぜか?」(アスペクト)、「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社プラスアルファ新書)など。夕刊紙でメジャーリーグに関する連載を持つほか、テレビ、ラジオ、新聞などに野球・スポーツ関連の出演や寄稿を行う。野球文化学会会長、アメリカ野球学会会員。

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2995743 0 大リーグ 2022/05/13 10:33:00 2022/05/13 16:01:01 2022/05/13 16:01:01 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/05/20220512-OYT1I50120-T-e1652406470834.jpg?type=thumbnail

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