完了しました
米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平が投手として進化を見せている。今季ここまで7度の登板で2失点以内が6度。最近の3戦は、いずれも6回以上を投げて失点は、0、1、2点と安定感が際立つ。昨季はあと1勝で2桁勝利を逃した大谷だが、今季はより高いレベルで投球を続けている。(デジタル編集部)

今季4勝目はならなかったが、18日(日本時間19日)のレンジャーズ戦は、力強かった。今季最速の100・8マイル(約162・2キロ)を計測。投じた94球のうち、直球が43%の40球で、平均速度は98・6マイル(約158・6キロ)に達した。地元紙オレンジカウンティ・レジスターによると、これは大谷のメジャーでの最高。100マイル(約160・9キロ)以上が8球もあり、これは2番目だという。
大谷自身は「メカニック的に思うようにいかない部分がある」とチームが負けたこともあってか、満足はしていないが、「一つ一つの球自体は良かった」とも。一定の手ごたえも感じたようだ。

昨季の前半は四球が多かったが今季はここまで四球で自滅という場面もない。9イニング当たりの四球数は2・11で、昨季の3・04より改善している。さらに、奪三振率(9イニング当たりの三振数)は、12・44と昨季を1・6以上、上回る。防御率も昨年の3・18を上回る2・82だ。
18日のレンジャーズ戦は、直球でぐいぐい押したが、直球が走らなかった11日のレイズ戦は、カーブを決め球に試合を作るなど、投球パターンも幅が広い。昨季は1度しかなかった6回以上を投げて無失点という相手を圧倒する試合が、今季は既に2度。4月20日のアストロズ戦は、六回途中まで一人の走者も許さず、結局6回1安打無失点の快投だった。
昨季のア・リーグ最優秀選手(MVP)の大谷。「今季はサイ・ヤング賞だ」という声も聞かれる。まだまだシーズンは長いが、期待を膨らませる滑り出しであることは間違いない。